04 / RUNNING SHOES
靴を替えたら、
走るのが少し好きになった。
「ランニングを始めるなら、どんなシューズを買えばいい?」
軽い。厚底。反発する。カーボン入り。
調べ始めると、いろいろな言葉が出てきます。
でも、何度もランニング習慣に挫折してきた僕が、今いちばん大切だと思っているのはもっと単純です。
履いた瞬間に、ちょっと気持ちいいこと。
僕の場合、そこからランニングが少しずつ変わりました。
FOR BEGINNERS
最初から、何足もいりません。
このあと僕が履いてきたシューズをいろいろ紹介しますが、最初にひとつだけ。
ランニングを始めるために、何足も揃える必要はありません。
まず一足。
自分の足に合っていて、履いていて気持ちよくて、また外へ出ようと思えるもの。
それで十分です。
僕のシューズが増えていったのは、走ることが増えてからでした。
01 / ZOOM RIVAL
ごめん、ズームライバル。
何度も「今度こそ走ろう」と思っていた頃。
僕が履いていたのがNike Zoom Rivalでした。
正直に言えば、僕にとってはランニングがちょっと嫌いになった頃の靴でもあります。
もちろん、ズームライバルが悪いわけではありません。
当時の僕は身体も重く、まだ走ることそのものに慣れていなかった。
そんな僕が欲しかったのは、軽快さや速さより、足元をやさしく受け止めてもらえるような安心感だったんだと思います。
走ってはやめる。
また始めて、またやめる。
今この靴を見ると、少し申し訳ない気持ちになります。
ランニングが嫌いになった靴というより、僕がまだ「自分に合う靴」を知らなかった頃の一足。
02 / REACT ODYSSEY
初めて「気持ちいい」と思った。
そんな頃、たまたま履いたのがNike React Odysseyでした。
足を入れた瞬間、速いとか反発がどうとかではなく……
当時の僕の大きな身体を、足元から包んでくれるような感覚。
「あ、これ気持ちいい」
それが最初でした。
ランニングが急に大好きになったわけではありません。
でも、走るときの嫌な感じが減った。
今でもこの靴は、雨の日用として残しています。
僕にとっては、ランニングとの距離を少し縮めてくれた一足です。
WHAT I LEARNED
初心者の一足は、速くなくていい。
軽い。
反発する。
レースで速い。
もちろん、それもシューズの魅力です。
でも、ランニングが苦手だった頃の僕にはもっと大切なものがありました。
履いていて嫌じゃない。
足元に安心感がある。
また履こうと思える。
続ける前に、嫌いにならないこと。
最初の一足なら、そこを大切にしていいと思っています。
03 / GLIDERIDE MAX
「厚底がいい!」で選んだ一足。
Reactでクッションの気持ちよさを知った僕。
次に思ったのは単純でした。
「もっと厚底がいい!」
お店で相談すると、いわば「全部のせ」みたいな一足として勧めてもらったのがASICS GlideRide Max。
これが、最高でした。
僕の感覚では、ロードから返ってくるものを一度ぜんぶ受け止めてくれるような安心感。
「全ての衝撃を受け入れてくれる」
そんなふうに感じていました。
WHEN A FAVORITE GETS OLD
最高だったから、なかなか手放せなかった。
かなり気に入って履いていたGlideRide Max。
当然、ソールも少しずつくたびれてきました。
特に下り。
ドン、と入った衝撃が、僕の感覚では脊髄から歯まで響くようになってきた。
「あれ……前と違うな」
とは思う。
でも、好きなんです。
まだまだ行ける。
もう少し使える。
そんな感じで、だましだまし履いていました。
04 / VOMERO 18
そんなとき、たまたまVomero 18を履いた。
GlideRide Maxは、まだ使うつもりでした。
ところが店頭で、たまたまNike Vomero 18に足を入れます。
その瞬間。
スペックを読む前に、足が先に反応した感じでした。
Reactを初めて履いた頃の「あ、気持ちいい」に近い。
しかも店頭表示は12,999円。
さらに、そこから2割引。
はい。買いました。笑
値段だけが理由ではありません。
先に足が「欲しい」と言って、最後に価格が背中を押した。
そんな買い物でした。
※価格は僕が購入した当時の店頭表示です。
MY FIRST PICK
走るのが苦手な人には、僕ならまずVomero 18。
昔の僕みたいに、
体重がちょっと重い。
走ることがそもそも好きじゃない。
何度始めても続かない。
そんな人には、いきなり速く走るための靴より、まず履いていて気持ちいい靴を試してほしい。
僕なら、その第一候補がVomero 18です。
今、React Odysseyが昔担っていた「安心して普通に走る」という役目を、このVomero 18が引き継いでいます。
Vomero Plusのような、さらに柔らかさや弾む感覚を楽しめる選択肢もあります。
どちらが絶対に上という話ではありません。
店で履いて「こっち気持ちいい」と思ったほうでいい。
最初のシューズは、それくらい自分の感覚を信じていいと思います。
FIT FIRST
クッションだけでなく、「足に合う」も大切。
指が窮屈になっていないか。
親指や小指の付け根が強く当たらないか。
歩いたときに大きく浮かないか。
どこか一か所だけ気にならないか。
僕自身、黒爪になった経験からシューズのサイズやフィットを見直しました。
「そのうち慣れるだろう」より、最初に感じた違和感も大切にしています。
05 / PEGASUS PREMIUM
少し速く。少し長く。
普段のジョグはVomero 18。
そこから少しペースを上げたい日や、長めに気持ちよく走りたい日に使っているのがPegasus Premiumです。
Vomero 18を買うときにVomero Plusと迷いながら、最終的に18を選んだ理由のひとつもこれ。
すでにPegasus Premiumがあったので、新しい靴には同じ役割を求めませんでした。
写真の一足には、
OUR PACE OUR VIB(E)RATION
という文字。
自分のペースで。
今のMOHIJOGにも、なんだか似合う言葉です。
06 / ZOOM FLY 6
今日は少し攻める、と決めた日。
ランニングを続けていると、「今日はゆっくり」だけではなくなりました。
少し速く走る。
ペースを保つ。
息を上げる。
そんな練習で使っているのがZoom Fly 6です。
昔は走ること自体が続かなかった僕が、今は「今日はスピードの日」と靴を履き替えている。
自分でも、ちょっと面白い変化だと思っています。
07 / TRAIL
ロードの外へ行きたくなった。
そしてThe North Faceのトレイル用シューズ。
ロードとは違う路面を走るための一足です。
ソールを見ると、舗装路用とはまるで違う。
こういう靴まで持つようになったのも、最初から計画していたわけではありません。
走ることを続けていたら、行ってみたい場所が増えた。
それだけです。
一足のランニングシューズから、走れる景色まで増えていきました。
MY SHOE ROTATION
今は、役割で履き分けています。
雨の日。走ることへの印象を変えてくれた一足は、今も現役。
小雨の日。厚底の気持ちよさを教えてくれた一足。
普段のジョグ。今の「安心して走る」中心です。
少し速めのジョグや長めのジョグ。
スピード練習やペースを上げる日。
ロードを離れてトレイルへ行く日。
WAITING FOR RACE DAY
Vaporfly 4は、まだ履いていません。
レース用として用意しているNike Vaporfly 4。
でも、この記事を書いている時点ではまだ足を通していません。
なので、「速い」「走りやすい」「最高」なんてことは、まだ書けません。
履いたときに、自分がどう感じるのか。
それはこれから。
こういう楽しみが先に残っているのも、悪くありません。
DON’T BUY THEM ALL
もう一度。最初からこんなにいりません。笑
Zoom Rivalで何度も止まり。
Reactで「気持ちいい」を知り。
GlideRide Maxで厚底の安心感を知り。
Vomero 18が普段の相棒になった。
そこから走りたいことが増えて、Pegasus Premium、Zoom Fly 6、トレイルシューズへ。
靴を増やしたから走れるようになったのではありません。
走ることが続いたから、欲しい靴の役割が増えていきました。
YOUR FIRST PAIR
最初の一足は、
「また履きたい」で選ぼう。
最速じゃなくていい。
最軽量じゃなくていい。
人気ランキング1位じゃなくてもいい。
自分の足に合っていて、履いた瞬間にちょっと気持ちいい。
玄関に置いてあるその靴を見て、
「少し外へ出ようかな」と思える。
最初は、そんな一足がいちばん強い。
僕にとって、最初にそれを教えてくれたのはReact Odyssey。
GlideRide Maxが厚底の楽しさを教えてくれて、今はVomero 18がその役目を引き継いでいます。
シューレースを結ぶ理由は、速さじゃなくてもいいんです。
