【宿泊記2】戸倉上山田温泉「ホテル晴山」夕食|露天風呂付き客室専用会場で味わう信州会席

ホテル晴山 夕食会場の特別席 半露天風呂付き客室専用
戸倉上山田温泉「ホテル晴山」。
客室の湯や大浴場のかけ流しに惹かれて訪れたけれど、もう一つ忘れられないのが夕餉のひとときだった。
ここでは温泉宿ならではの趣向と、信州の恵みが詰まった会席料理が待っている。

戸倉上山田温泉 ホテル晴山の夕食お品書きと部屋の鍵「城山」
夕食のお品書き。部屋の名「城山」の木札鍵とともに。

お品書きを手にすれば、先付から水菓子まで十数皿の流れ。
すでに心は宴の中へ誘われている。

ホテル晴山 夕食会場の特別仕切り付き食事処
仕切られた特別な空間。静けさと優越感。

リニューアル前は広い大部屋だった食事処。
改装後は仕切りを設けて、半個室のような心地よい空間に変わった。
慣れるまではスタッフも大変だったそうだが、今は動線も整い、落ち着いた雰囲気の中で食事ができる。

ホテル晴山 夕食会場の特別席 半露天風呂付き客室専用
奥の仕切りは露天風呂付き客室専用の夕食席。

宿泊した「城山」の部屋には半露天風呂が備わり、食事もまた専用の仕切り席。
わずかな特別感が、旅をいっそう豊かにしてくれる。

ホテル晴山 夕食の和会席 信州牛と豚肉の鍋物 前菜と御造り付き
信州の恵みが集う夕食会席。彩りも豊かに。

最初に並んだ膳は、信州牛と豚肉の鍋物を中心に、前菜や御造りまでずらり。
料理ごとの彩りに目を奪われる。

ホテル晴山 夕食前菜 三種小鉢と折り鶴の盛り付け
前菜三種と折り鶴。細やかな演出に心和む。

小鉢に盛られた前菜三種。小さな折り鶴まで添えられ、遊び心と温かみが伝わる。

ホテル晴山 夕食の御造り 蓋付き器
蓋物に隠された御造り。開ける瞬間もご馳走。

そっと蓋を開ければ――。

ホテル晴山 夕食の御造り 活鮎の刺身
活鮎のお造り。清流のきらめきが皿の上に。

川魚の王者、鮎の姿造り。透き通る身に信州の清流を思う。

ホテル晴山 夕食の焼物 有頭海老素焼きとシャインマスカットゼリー
香ばしい有頭海老と、清涼感あるシャインマスカットゼリー。

焼物は有頭海老の素焼き。横にはシャインマスカットのゼリーが添えられ、意外な組み合わせが妙に心地よい。

ホテル晴山 夕食 信州牛と豚肉のしゃぶしゃぶ
霜降りの信州牛と豚肉。しゃぶしゃぶで贅沢に。

主役はやはり信州牛と豚肉のしゃぶしゃぶ。
ただしこの鍋には秘密がある。

ホテル晴山 夕食 温泉しゃぶしゃぶ 独自源泉城山2号を使用
ぐつぐつと湧くのは、独自源泉「城山2号」。

実は鍋に張られているのは、ホテル晴山の独自源泉「城山2号」。
まさに温泉しゃぶしゃぶという趣向。

ホテル晴山 温泉しゃぶしゃぶ 豚肉を源泉でしゃぶしゃぶ
源泉でさっと泳がせた豚肉は、やわらかく仕上がる。

湯気に包まれた肉を口に含むと、温泉ならではのやわらかさと優しい口当たり。
この宿でしか味わえない体験だ。

ホテル晴山 夕食 黒バイ貝の含め煮
滋味あふれる黒バイ貝の含め煮。

滋味深い黒バイ貝の含め煮。口にすれば海の旨みがじんわりと広がる。

ホテル晴山 夕食 茶碗蒸し
なめらかな口どけの茶碗蒸し。

会席の中盤をやさしくつなぐ、出汁香る茶碗蒸し。

ホテル晴山 夕食 鯉の南蛮漬け
黄金色に輝く鯉の南蛮漬け。

信州らしい鯉料理。爽やかな酸味で箸を進めてくれる。

ホテル晴山 夕食 漬物 野沢菜と赤かぶ漬け
信州の定番、野沢菜と赤かぶ漬け。

食事の締めには漬物が欠かせない。信州らしい野沢菜と赤かぶが並ぶ。

ホテル晴山 夕食 止椀 生麩とつみれの吸い物
澄んだ出汁に生麩とつみれが浮かぶ。

吸い物は梅型の生麩とつみれ。清らかな味わいで、心まで澄んでいく。

ホテル晴山 夕食 炊き立ての白ご飯
つやつやに炊き上がった佐久産のお米。

ご飯は地元・佐久市のお米を使用。
スタッフが誇らしげに教えてくれたこの一言に、料理への真心を感じた。

ホテル晴山 夕食 水菓子の器 蓋付き
水玉模様の蓋物。最後の楽しみ。

蓋を開ければ、甘味がそっと姿を現す。

ホテル晴山 夕食 水菓子 こんにゃく餅
もっちり食感のこんにゃく餅で、宴の幕が下りる。

最後の一口はこんにゃく餅。
あっさりした甘さと独特の食感が、夕食の余韻をやさしく締めてくれる。
— ホテル晴山の夕食は、温泉だけでは味わえない「信州の物語」そのものだった。
川の恵み、山の幸、そして温泉までも料理に取り入れて――。
食事処の変化やスタッフの想いが重なり、この一夜の会席は特別な思い出へと変わった。
温泉宿に泊まる理由は、湯だけじゃない。
この食卓に並んだ時間こそ、旅を豊かにするご馳走だった。
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