本金「野良 Nora」― 原田泰治の“野良仕事”と諏訪の水米酵母が出会う、年末限定の物語

長野・諏訪の日本酒「野良 Nora」—本金酒造、白地パッケージに箔押し「よい酒」ラベルを大きく写す
飲酒に関する注意
20歳未満の飲酒・飲酒運転は禁止です。妊娠中・授乳中や体調不良時の飲酒は控えましょう。来訪時はドライバーは飲まない/代替ドリンクを選ぶのが原則です。
この記事について(E-E-A-T開示)
・購入/入手:発売開始の時刻に電話で取り置き。限定シリアルは No.007(本文記載の一次情報)。
・撮影:掲載写真はすべて自撮。試飲・記録は自宅で実施。
・評価軸:香り/甘味/酸/苦味/余韻を5段で記録、食中適性は実食ペアリングで検証。
・利益相反:サンプル提供・広告出稿・アフィ誘導なし(PRリンクなし)。
・可変要素:銘柄の仕様・価格・提供状況は変動あり。最新はラベル・蔵・販売店の案内で確認してください。

発売開始の時刻に電話して取り置き完了。
限定シリアルは「007」。
きょうかい7号の土地で引いたNo.7という偶然に、去年も良い締めくくりができました。
今は9月の終盤。年末がもうそろそろちらつき始めるこの時期、忘れないうちに紹介しておきます。

諏訪で生まれた一本「野良 Nora」。

箱を開ける前から、静けさが美しい。

蔵の定番「からくち太一」も要チェック。入荷や価格は最寄りの酒販店または蔵の最新案内を確認してください。

長野・諏訪の日本酒「野良 Nora」—本金の白地化粧箱、箔押しロゴ「野良/Nora/よい酒」を正面から撮影した全景

酒造りの背景|ALL LOCALLY MADE in SUWA

ラベルにも箱にも掲げられた「ALL LOCALLY MADE in SUWA」。
水、米、蔵、アーティスト、デザイナー、ボックスメーカーまで、諏訪という半径の中で完結させる思想。
地の水で地の米を醸し、地の美意識で包む。
そんな一本にふさわしい、凛とした白の箱だ。

長野・諏訪の日本酒「野良 Nora」—化粧箱側面の「ALL LOCALLY MADE in SUWA」ロゴとWater・Rice・Sake Brewery・Artist・Designer・Box Makerのローカル宣言

蔵と「野良」の物語

酒ぬのや本金酒造は、長野県諏訪市の小さな蔵。
ベテランから若手まで、落ち着きと活気が同居する気配が心地よい。
「野良」は画家・原田泰治氏の作品「野良仕事」をラベルに配した限定酒。
風の通る茅葺、働く人の後ろ姿、樹の気配。
日本の原景を思わせる絵に、金の「野良」の文字がすっと載る。

日本酒「野良 Nora」本金—原田泰治による農村風景のイラスト「野良仕事」を配したパネル、純米大吟醸の紹介文とボトル写真入り

外観|美術品のような佇まい

ボトルはすりガラス調のマットブラック。
手に取ると、指腹に細やかな粒子を感じる。
金箔のロゴは光を柔らかく返し、ラベルの色面は淡い季節の層を重ねる。

日本酒「野良 Nora」本金—すりガラス調の黒瓶に原田泰治のイラストラベルをまとった全体写真、美術品のような佇まい

日本酒「野良 Nora」本金—原田泰治の作品「野良仕事」を配したラベル拡大、金色箔押しの文字と美しい色合いの農村風景

日本酒「野良 Nora」本金—すりガラス調のマットな黒瓶とラベル一部のクローズアップ、手触りの質感を表現

開封の所作|封紙・栓・瓶口

首元の封紙には「ALL LOCALLY MADE in SUWA」。天面には本金ロゴ。
一升瓶用の黒栓を四合瓶に採用していて、指がかかりやすく開けやすい(現地で直接伺った一次情報)。
細部のUXにまで心が行き届くのが、本金らしい仕事ぶり。

長野・諏訪の日本酒「野良 Nora」—瓶口の封紙に「ALL LOCALLY MADE in SUWA」を印字、本金ロゴ栓のクローズアップ

長野・諏訪の日本酒「野良 Nora」—瓶口の天面から見た黒栓に本金ロゴの封紙を貼ったクローズアップ

日本酒「野良 Nora」本金—一升瓶用の黒い瓶栓を採用、四合瓶でも開けやすい工夫が感じられるクローズアップ

日本酒「野良 Nora」本金—一升瓶用の黒栓を外した後の瓶口クローズアップ、ガラスの滑らかな質感と美しいフォルム

香り(アロマ)

立ち香は控えめに気品。
白桃、洋梨、白い花のニュアンスに、米由来の柔らかな粉感が重なる。
いわゆる吟醸香が出過ぎず、清らかな輪郭を保つタイプ。

味わい(パレット)

口当たりはシルキー。
入口はほどよい甘み、すぐに酸が姿を見せて輪郭を整える。
芯は米のうま味で、美山錦らしい端正さが中域を支える。
後半はスッと引いて、余白にほのかな苦み。食と寄り添う余韻。

質感(テクスチャー)とキレ

舌の上では細かなビロード。
温度が上がると輪郭が丸みを帯び、キレはやや穏やかに。
冷やでは透明感、常温ではうま味の厚みが前に出る。

適温と酒器

冷蔵庫出しの8〜10℃が最初のベスト。
ワイングラスより口径の小さな平盃や小ぶりのぐい呑みが合う。
12〜15℃に上がると米の艶が開き、表情が一段増す。

日本酒「野良 Nora」本金—原田泰治のイラストラベル瓶と本金銘入りの盃に注がれた透明な酒、試飲シーン

50代にすすめる理由(コンディション視点)

  • 少量高満足:8〜10℃→12〜15℃で香りと旨味が段階的に開くため、量を抑えても満足感が落ちにくい
  • 食中寄りの設計:甘み・酸・ほのかな苦みがバランスし、塩味や油のある料理でもダレにくい
  • 上品な香り設計:吟醸香が出過ぎずクリア。長い会食でも香り疲れしにくい
  • 再現性の高さ:小ぶりの盃で温度管理が容易、家飲みでも安定した体験

飲み方の目安(純アルコール換算)

一般に言われる目安:純アルコール20g/日まで週2日の休肝。本品(Alc.16%)の純アル目安:

  • 60ml ≒ 7.68g
  • 90ml ≒ 11.52g
  • 120ml ≒ 15.36g
  • 180ml(1合)≒ 23.04g(20g超)

計算式:容量(ml) × 度数 × 0.8(エタノール比重)
コツ:盃1〜2杯→水1杯→小休止/就寝2〜3時間前に飲み終える/空腹で飲まない(たんぱく質+少量の炭水化物と一緒に)。

おすすめペアリング

  • 信州サーモンの軽いマリネ―脂の甘みと酸のバランスが同調。
  • 鴨ロースの山椒風味―うま味の層を広げ、余韻の苦みと調和。
  • 山菜の天ぷら(こごみ・こしあぶら)―青さと苦みが香りを押し上げる。
  • 手軽に:セブンの銀鮭の塩焼き、ローソンのからあげクン(レギュラー)

スペック

銘柄野良 Nora(本金)
種類日本酒(純米大吟醸)
原料米長野県諏訪産 美山錦 100%
精米歩合39%
アルコール度数16%
内容量720ml
酵母協会酵母(7号系の文脈で愉しむ)
製造者酒ぬのや本金酒造株式会社(長野県諏訪市諏訪2-8-21)
限定表記Bottle No. 007 / 200
製造年月R06.11(ラベル表記)
保管要冷蔵推奨。直射日光を避ける。
在庫・流通は時期により異なります。最寄りの酒販店、百貨店の和酒売場、または蔵の最新案内をご確認ください。

日本酒「野良 Nora」本金の裏ラベル—精米歩合39%、長野県諏訪産美山錦100%使用の純米大吟醸、内容量720mlの詳細表示

甘辛・濃淡チャート

甘い 辛い 濃醇 淡麗 甘辛・濃淡チャート

香味レーダーチャート

香り 旨味 キレ 余韻 香味レーダー(体験ベース)

ラベルに込められたことば

側面の文章は、霧ヶ峰から流れる水と諏訪で育った米で醸すという原点に立ち返らせてくれる。
原田泰治氏の作品と「努力の種をまかねば 夢の花は咲かない」というフレーズが、蔵の姿勢をまっすぐに映す。

日本酒「野良 Nora」本金の側面ラベル—霧ヶ峰の水と諏訪米で醸す酒、原田泰治の作品「野良仕事」を採用し「努力の種をまかねば夢の花は咲かない」の言葉が添えられた説明文

編集後記

7号酵母の物語が根を張る諏訪の地。
その上に、地域で完結するデザインと仕事が重なる。
派手に語らず、体温で伝える一本。
歳末に「また会えた」と静かに頷ける存在だ。

定番酒は食中の相棒。ストックは流通在庫を確認のうえ、近隣の酒販店で。

モイの〆酒評

「凛として、やさしい」。
氷の上を滑るような清澄感と、薪の火のような温もりが同居。
飲み手の一日を労う、静かな強さを持つ純米大吟醸。

用語の解説はか行の酒語辞典ま行の酒語辞典さ行の酒語辞典も参考にどうぞ。

※本記事は筆者の実体験に基づくレビューです。味わいの感じ方には個人差があります。
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