【日本酒レビュー】野良 Nora|諏訪の風景まで包んだ、本金の純米大吟醸
長野県諏訪市、酒ぬのや本金酒造。
今回の一本は、純米大吟醸「野良 Nora」です。
発売開始の時間に合わせて電話をして、取り置きをお願いしました。
こういう時だけは行動が早い(笑)
そして手元にやってきた一本を見ると——。
Bottle No.007
おお……007
諏訪といえば、真澄で発見された協会7号酵母。
もちろん偶然ですが、これはちょっと嬉しい。
限定200本のうちの7番
飲む前から、すでに愛着が湧いています。
白い箱に、金色の「野良」
まず目を引くのが、この箱
真っ白な余白に、金色の「野良」
シンプルですが、きれいです。
派手に見せるのではなく、静かにそこにいる感じ。
そして側面には、
ALL LOCALLY MADE in SUWA
の文字があります。
水、米、酒蔵
アーティストにデザイナー
そして箱づくりまで
一本まるごと、諏訪でつくる。
「地酒」という言葉が、酒の中だけで終わっていません。
箱まで含めて、諏訪なんですね。
原田泰治さんの「野良仕事」
ラベルに使われているのは、諏訪出身の画家・原田泰治さんの作品「野良仕事」
田畑があって、家があって、人が働いている。
何でもない日常のようなのに、なぜか目が止まります。
そこに金色の「野良」
諏訪で育った米を、人が手を掛けて酒にする。
この一本の名前にもよく似合っています。
箱を開けると、黒い野良
箱を開けると、マットな黒いボトルが現れました。
おお……。
これはカッコいい。
黒い瓶に、原田泰治さんのやわらかな色。
そして金色の文字。
酒なのに、しばらく飾っておきたくなる。
困りました。
飲めません(笑)
近くで見ると、瓶も普通の黒ではありません。
すりガラスのような、少しざらっとした質感。
光の当たり方で表情も変わります。
モイのマメ知識|4合瓶なのに、この栓
首元にもALL LOCALLY MADE in SUWA。
栓の上には本金の文字があります。
そして面白いのが、この黒い栓。
4合瓶ですが、一升瓶で使うタイプの大きな栓が使われています。
本金で直接伺ったところ、指が掛かりやすく、開けやすいという工夫なのだそう。
ほんの小さなことです。
でも僕は、こういうところに本金らしさを感じます。
飲む人への気遣いが、さりげなく形になっているんですよね。
さて、野良をいただきます
ここまで散々眺めました。
そろそろ飲みましょう(笑)
本金の盃へ。
野良 Nora|香りと味わい
香りは華やかすぎず、やわらか。
僕には白桃や洋梨のような果実感と、白い花を思わせる香りを感じました。
ひと口。
最初は、きれいな甘み。
そこへ酸がすっと入り、輪郭を整えてくれます。
中心には米の旨味。
そして最後には、ほんのり苦み。
甘さを残しすぎず、また次のひと口へ。
きれい。でも、きれいだけでは終わらない。
純米大吟醸ですが、香りだけで飲ませる酒ではなく、食事と一緒に楽しみたくなる一本でした。
少し温度が上がると、またいい
最初は冷蔵庫から出して、そのまま。
冷えていると透明感がきれいです。
ところが盃の中で少し温度が上がってくると、米の旨味がゆっくり前へ。
口当たりにも丸みが出てきます。
急いで飲むより、小さな盃で少しずつ。
温度が変わっていく時間も一緒に楽しむ。
野良には、そのくらいの飲み方が似合いました。
野良と何を食べる? モイ的ペアリング3選
太一とは少し変えて、野良はきれいな酸と上品な旨味に合わせたい。
諏訪へ行ったなら、ツルヤなどで地元のものを少し。
普段ならコンビニでも。
今回の3品はこちらです。
① ツルヤなどで|信州サーモン
まずは信州サーモン。
刺身や寿司など、その日の売場で見つけたものを。
脂のあるサーモンをひと口。
そこへ野良。
野良のやわらかな酸が脂を整えて、また魚へ戻りたくなります。
諏訪の酒を、信州の魚と。
旅先なら、こういう組み合わせを楽しみたいですね。
② ツルヤなどの惣菜売場で|野沢菜のおやき
もうひとつは、信州らしく野沢菜のおやき。
なにげに胡桃味噌おやきでも合う。
野沢菜の塩気と少し青い風味。
そこに、もちっとした生地の甘み。
野良の米の旨味と重なると、素朴なんですが妙に落ち着きます。
純米大吟醸に、おやき。
ちょっと意外ですが、僕はこういう合わせ方が好きなんですよね。
③ コンビニ|だし巻き玉子
そしてコンビニなら、だし巻き玉子。
これで十分。
出汁の旨味と玉子のやさしい甘み。
そこへ冷えた野良を少し。
酒の酸が口を整えて、また一切れ。
特別な酒だからといって、料理まで構えなくていい。
普段の食卓に、一本だけ特別な酒。
僕はそのくらいが好きです。
※惣菜や地域商品の取り扱いは、店舗や時期によって異なります。
野良 Nora|基本情報
| 銘柄 | 野良 Nora |
|---|---|
| 蔵元 | 酒ぬのや本金酒造株式会社 |
| 種類 | 純米大吟醸 |
| 原料米 | 長野県諏訪産 美山錦100% |
| 精米歩合 | 39% |
| アルコール度数 | 16% |
| 内容量 | 720ml |
| 限定表記 | Bottle No.007 / 200 |
| 製造年月 | R06.11 |
「努力の種をまかねば 夢の花は咲かない」
最後に、もう一度ボトルの側面を。
霧ヶ峰の水。
諏訪で育った米。
酒ぬのや本金酒造。
そして原田泰治さんの「野良仕事」。
そこに添えられている、
「努力の種をまかねば 夢の花は咲かない」
という言葉。
野良仕事の絵を見ながら読むと、よく似合います。
米を育てる人がいて、酒を造る人がいる。
そして、デザインや箱まで諏訪の人たちがつないでいく。
最初に見たALL LOCALLY MADE in SUWAという言葉が、ここで一本につながりました。
モイの〆酒評|きれい。でも、ちゃんと本金
太一は、僕が本金という酒蔵を好きになる入口になった酒。
野良は、それより少し特別な日に開けたい一本です。
美しく磨かれた純米大吟醸。
でも、こちらへ威張ってこない。
食卓の横にすっと座って、料理と一緒に楽しめる。
そして飲み終わったあと、酒の味だけではなく、諏訪の風景や人まで少し思い出す。
僕が好きなのは、本金の酒だけではないのかもしれません。
酒の向こう側にある、諏訪や人の仕事まで。
そこに惹かれているんでしょうね。
野良 Nora。
今年の年末も、また会えたら嬉しい一本です。
本金をもう一本。
▶ 【日本酒レビュー】太一 本醸造|僕が本金という酒蔵を好きになった一本
※本記事は実際に購入して飲んだ際の体験をもとに書いています。味わいの感じ方には個人差があります。
※商品仕様・販売時期・在庫、惣菜等の取り扱いは変更される場合があります。
※当サイトでは20歳未満の方の飲酒を推奨しておりません。お酒に関する情報は20歳以上の方を対象に掲載しています。ノンアルコール飲料の紹介も、20歳以上の方を対象としています。
酒語辞典 |mohilog
日本酒・ワイン・ビール・ウイスキーの用語を五十音で横断検索。

