実家売却までの日々は始まったばかり、今やっていることをそのまま書き続けます……
今回はちょっと固い話です。
でもここ、避けて通れない“守りの回”です。
第3話は「要望書」
僕が不動産屋さんに伝えたい“売却の希望条件”を、書面にして持っていく話です。
次の第4話で「告知事項(物件状況等報告書)」に続きます。
固いけど大事。
だから分けます。
第3話 要望書|僕の売却の希望条件を書面で伝える
不動産売却って、書類が増えるほど面倒に見える。
でも僕は逆だと思ってます。
書類が増えるほど、未来の自分が助かる。
媒介契約をしに行く前に調べたら、契約時のトラブル防止に効く書類として、こういう名前が出てきました。
- 売却条件に関する重要事項(要望書)
- 物件状況等報告書(告知事項)
で、今回はまず「要望書」。
先に希望条件を紙に置いておけば、当日の打ち合わせも早い。
それに、相手に“こちらの理解度”が伝わる。
「この人、知ってるな。
手抜きできないな。」
…と思わせられたら勝ち。
あくまで憶測ですが。
ちなみに、管理やリスクの話は第2話にも書いてます。
空き家売却は、ほんとに“管理が命”です。
実家売却までの日々|第2話(管理・リスク)
要望書は何のために必要か
目的は3つ。
- トラブルを減らすため。
- 当日の時間を短縮するため。
- 「条件の前提」を先に固定するため。
口で言うだけだと、いつの間にか薄まるんですよね。
言った・言わないに変わる。
だから紙。
そして、要望書は“強く主張するため”じゃなくて、
「ズレないため」に置くもの。
僕はそう理解しています。
※ネットでの売却について
僕は古い人間なので、結局は地元の不動産屋さんに直接行きました。
ただ、「今の時代、ネット完結の方がスマートなのかな?」と思って、実はいくつか調べてもいたんです。
例えばこれ。
▶ スマート仲介![]()
僕は使いませんでしたが、売主側の利益を重視するスタンスのようで、今回の記事のような「要望書」を使ったやり方とは相性が良さそうです。
いきなり不動産屋に行くのはハードルが高い……という方は、こういう現代的なサービスのほうが合うかもしれません。
要望書|僕の希望条件(全文)
ここからが本文です。
不動産屋さんに渡す実際の文面を、そのまま載せます。
1. 契約不適合責任の免責(※知っていることは告知します)
・本物件は築年数が経過しており、買主による解体・更地化を前提とした取引です。
・売主は、自己の知り得る範囲で、現在認識している不具合については別紙「物件状況等報告書」にて告知します。
・ただし、それ以外(未発見・未知のものを含む)の契約不適合(物理的欠陥、シロアリ、雨漏り、土壌汚染等)については、その有無にかかわらず、売主は一切の責任を負わない(契約不適合責任の免責)ものとします。
ここは“冷たく見える”けど、空き家売却では必要な整理だと思ってます。
知ってることは言う。
知らないことは背負わない。
2. 測量および境界について(公簿売買・境界非明示)
・本物件の売買は「公簿売買」とし、実測面積との差異が生じても売買代金の清算は行いません(実測精算なし)。
・「境界非明示」での引渡しを希望します。
・境界標の復元、越境の是正、境界確定協議、確定測量図の作成・交付等が必要となる場合は、すべて買主の責任と費用負担において行う条件としてください。
境界は揉めると長い。
長いと疲れる。
だから先に“方針”を置きます。
3. 地中埋設物等の取扱い(完全免責)
・解体・建築工事等で地中埋設物(コンクリートガラ、瓦、浄化槽、古井戸等)が発見された場合、その数量・種類・深さ・規模を問わず、すべて買主の責任と負担において処理するものとします。
・売主は撤去費用負担、代金減額、契約解除等には応じません。
地中埋設物は「出た瞬間に揉める」代表格。
なので最初から、握っておきます。
4. 残置物および付帯設備の取扱い(写真による特定)
・建物内部の動産類(家具・家電・生活用品等)は、引渡し時までに売主の責任と負担において撤去します。
・ただし、庭木・庭石・物置・造作設備等は「現況のまま(残置した状態で)」引渡します。買主はこれを承諾し、自らの負担で解体・処分を行うものとしてください。
・引渡し時のトラブル防止のため、「何を残置するか」を現地写真等で特定し、売買契約書または重要事項説明書に添付・明記してください。
残置物は、文章より写真が強い。
「これを残す」を写して固定する。
それが一番揉めない。
5. 3,000万円特別控除の適用(特約の採用/※必須条件)
・本取引は「被相続人居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円特別控除)」の適用が必須条件です。
・別途提示する「被相続人居住用財産の譲渡所得の特別控除に関する特約」を、売買契約書の条項として必ず採用してください。
・特に以下の条件は、売主の税務申告に関わる重要条件のため、契約書に明記してください。
(1) 解体完了期限:運用目標 2026年◯◯月◯◯日まで/最終期限 2026年◯◯月◯◯日まで(譲渡年が2026年の場合)
(2) 必要書類交付期限:2026年◯◯月◯◯日まで(※工事写真を含む)
(3) 損害賠償:本特例が適用できなかった場合の税負担相当額および合理的費用の賠償
ここは“節税の話”というより、
「想定外の損失を防ぐ話」。
なので必須条件にします。
なぜ損害賠償の話まで書くかというと、買主さんが期限までに解体を終えてくれないと、僕の税金が数百万円単位で変わってしまう(特例が使えなくなる)からです。
ここは相手任せにできない、売却益を守るための生命線です。
当日、渡すときの段取り
要望書は、打ち合わせの途中ではなく最初に渡します。
あとから出すと、交渉がこじれやすい。
- 要望書を先に渡す。
- 揉めそうな点は“口”ではなく“紙”で固定する。
- 残置物は写真添付の前提で話す。
- 3,000万円控除は期限と書類が命だと先に伝える。
厳しいことを言っているようですが、最初にこれを出しておけば、営業さんも「売主の意向確認」で何度も電話しなくて済む。
条件が明確で、後出しジャンケンがない。
実はそのほうが、相手にとっても仕事がしやすい客になれるはずなんです。
相手を疑うというより、
仕組みとして「抜け落ちない形」にしておく。
僕はそれをやりたいだけです。
【読者の皆さんへ】コピペして使える「要望書」テンプレート
ここまで読んで「自分もこれを使いたい」と思ってくれた方へ。
僕が作った要望書のひな形を置いておきます。
記事が長くならないよう畳んであります。クリックして開いて、コピーボタンを使ってください。
▶ パターンA:3,000万円控除を使う人向け(最強の守り)
相続した空き家を売り、税金の特例(3,000万円控除)を使いたい人向け。
買主による解体時期などが厳格に決められているバージョンです。
▶ パターンB:一般的な古家売却向け(シンプル版)
税金の特例は使わないけれど、古い家なので「あとからクレームを言われたくない」人向け。
汎用性が高く、業者さんも受け入れやすいバージョンです。
※あくまで「売主としての希望」を伝えるものです。
これをベースに、不動産会社の担当者さんと相談してみてください。
最初に見せるだけで、舐められる確率はグッと減るはずです。
次回予告|告知事項のほうが、実はもっと大事
次の第4話では「物件状況等報告書(告知事項)」を書きます。
空き家売却は、最後に“正直さ”が効く。
知らないことは「不明」と書く。
知っていることは、隠さず書く。
実は今日、これを作った勢いで現地も見に行きました。
境界線。
雨漏り。
マンホール。
机の上では文章だったものが、現地では現実として立っていました。
その話も含めて、次回に続けます。
これから売却を考える方へ
僕は運良く地元の不動産屋さんと縁がありましたが、
もしツテが一切ない状態でスタートするなら、
まずは「自分の家の適正価格」をネットで調べてから動くと思います。
何も知らずに相談に行って、安く買い叩かれるのだけは避けてくださいね。




