日々の過酷な労働
(こんなブラックな勤務状況でも一応上場している我が社…)
で削り取られた精神を回復させるため、休日はスマホを閉じて温泉に浸かる。
これが48歳、私のリアルな生存戦略だ。
今回足を運んだのは、福島県にある
裏磐梯レイクリゾート
かつての名門ホテルを、通販大手の「ベルーナ」が買い取り再生させた大型リゾートである。
実は私、以前から「ベルーナ」の株主である。
同社の公式IRによれば、国内ホテル事業の売上が前年同期比でプラス63.8億円と急成長を遂げている。
また、ワイン好きの私としては、同社が運営するワイン通販が国内売上高で17年連続No.1を獲得している点も手堅いビジネスとして高く評価している。
「これは本格的に追加投資を考えるべきか?」
——その真価を宿泊客として現地で見極めるのが、今回の裏ミッションである。
家族でのスノボ旅行でこの宿を選び宿泊した様子は?
今回は私のリアルな感情の起伏を、投資家らしく
「レーティング(投資判断)」
の変動と共にお届けしよう。
1. ホテル外観から廊下 【強い買い】
独特な雰囲気ある佇まいのホテルからエントランスを抜け、まず驚かされたのは、ホテル内の立派さだ。太い黒柱にモダンな床。
ただ安く買い叩いて看板だけをすげ替えたような、安っぽい「居抜き宿」とは明確に一線を画している。
「長い廊下を歩くと、ふわりと良い匂いがした」
視覚だけでなく、嗅覚からも非日常を演出する。
このハードのポテンシャルの高さに、私の投資判断は文句なしの【強い買い(Strong Buy)】からのスタートとなった。
2. 部屋で直面したリアル 【中立】
しかし、部屋に入ると理想のチャートに陰りが見え始める。
今回の旅行人数は5名。
そのため部屋は問答無用で和室になったのだが、コストカットの皺寄せは確実に「ソフト面」と「備品」に表れていた。
- 広縁(窓際のスペース)が無いのが残念で辛い。
- スリッパのサイズと作りが悪く、歩くたびに足が痛い。
- 入り口周りのアコーディオン式の収納が狭い靴置き場や廊下に張り出し、地味に使いづらい。
さらに館内は凄まじい数のインバウンド団体客で溢れかえり、外国人スタッフの対応は丁寧ではあるが、ひたすら事務的。
ただし、ベルーナの公式IRによると同社ホテルの中国人宿泊者の割合は約2%にとどまるらしい。
グローバルにリスク分散されている点は投資家としてニヤリとするが、いち宿泊客としてはカオスなので評価は一旦【中立(Hold)】へ。
3. 温泉ソムリエ…モイが唸る極上湯とアメニティ
部屋の窮屈さに少し萎えつつ大浴場へ向かう。しかし、ここで温泉ソムリエとしての私の血が騒ぐことになった。
独自源泉、猫魔温泉の泉質は、 ナトリウム‐塩化物・硫酸塩温泉
「とても温まり、肌がツルツルしっとりの極上湯。湯温も程よく熱め(43度位?)で最高」
塩化物泉寄りの性格があるから、湯上がりに
“肌の表面が守られてる感じ”
がする。
この宿は、特に露天風呂のほうが泉質が良く感じる。
広い作りの浴室に、広々とした内風呂と露天風呂。
場所によって温度が変わるため、自分の好みの温度を見つけてゆっくり楽しめるのが素晴らしい。おまけにスチームサウナまで付いている。
大浴場のアメニティにも手抜かりはなく、シャンプー・リンスは質の良い「サラヤ」、洗顔料はリッチな使い心地&香りの「DHC」が置かれており、使用感が良く高評価だ。
▼ この近辺ではこの極上湯のためだけにでも行く価値アリ。
4. 夕食〜プレイスポット 【買い】
中立に傾いた評価を明確に押し上げたのは、バイキング会場での
「食のクオリティ」
だった。
「嬉しかったのはライブキッチン。
目の前で切り分けるローストビーフ、揚げ立ての『天ぷら』を数種の塩でいただける。
ビュッフェならではのモイの創作…
脂の乗った山盛りサーモン丼作ったり、肉寿司を作ったりできる。
通常料理でも鴨肉に魚介スープ、角煮や喜多方産コシヒカリなど。
備品のコストを削った分、料理にはそこそこ資本を投下している。
カトラリーも僕好みのシルバー製で満足度は高い。
……余談だが、ブッフェでは次々と口に運んでしまうとお腹がはち切れそうに満腹になる。
そこであえて、
皿には料理を小ぶりに乗せ、フォークとナイフでゆったり楽しむことでお腹の状態がわかり食べすぎずに済む。
血の気の多い方々は元を取ろうと、ズンズンとローストビーフの列に押し入り、トングで皿の底から一気にサーッと10枚以上かっさらい、皿に盛れるだけマグロを積み上げたりしてるのを横目に見ながら優雅に食す。
これが僕のスタイル。
お酒に関してもリアルなところを書いておこう。
飲み放題メニューの日本酒に普通酒しか無い。。
通常注文の日本酒ラインナップも日本酒好きとしては少し残念だった。
(休暇村裏磐梯は飛露喜まで飲めるのに)
しかし、そこはワイン通販で名を馳せるベルーナ。
飲み放題のワインはかなり甘めの赤・白ワインが用意されており、気軽に料理とペアリングする際にも邪魔をせず楽しめるだろう。
僕には甘いけどね。
ビールも安定の自動式サーバーで、一番搾りとスーパードライが選べるのが地味に嬉しいポイントだ。
シメのソフトクリームも抜かりなし。
「夕食後はプレイスポットへ。ビリヤード、ダーツが楽しかった。
インバウンドの喧騒の中、皮肉にもチャイナブルーを飲んだ」
夜は大人の逃避行。この食と遊びの充実ぶりに、追加投資への意欲と共にレーティングは【買い(Buy)】へ上昇した。
5. 深夜の大暴落。悪夢の就寝タイム 【強い売り】
バーでの心地よい酔いを抱えたまま、部屋の布団へ潜り込んだ。
極上の眠りにつくはずだった。——しかし、現実は甘くなかった。
夜寝る時、隣のインバウンド客の酒盛りが激しすぎて全く眠れない。。
壁越しに響き渡る異国の言語と、爆発的な笑い声。
薄々感づいてはいた。おそらく夕食後、何故廊下のテーブルと椅子で?大騒ぎしながら酒盛りしていたインバウンド客のグループだ。彼らがそのまま部屋に雪崩れ込み、宴会を続行しているのだ。
時計の針が進んでも一向に収まる気配がない。耐えきれずフロントに電話を入れる。
……そこから十数分後、ようやく壁の向こうの騒ぎが波が引くように落ち着いていった。
「はあ……これでようやく眠りにつける。
今の僕の評価は、ストップ安レベルの【強い売り(Strong Sell)】に下落した」
いくら温泉と食事が良くても、客層という「コントロール不可能な環境リスク」が直撃すれば一瞬で地に落ちる。
インバウンド依存モデルの脆さを、私は暗闇の中で噛み締めていた。
【次回予告:V字回復の朝】


