会津磐梯の麓で仕込まれる榮川(えいせん)の純米吟醸をじっくり検証。
一口目から感じるのは、
水の良さがそのまま伝わるクリアさ
やや辛口のキレで杯が進み、食事の邪魔をしない“使える一本”という印象でした。
酒造りの背景
榮川酒造は福島県耶麻郡磐梯町に蔵を構え、会津の清冽な伏流水を武器に地域に根ざした酒造りを続ける蔵。
ラベルに掲げられた「東北に酒あり」という言葉どおり、名水仕込みを軸にした端正な味わいが持ち味です。
直売拠点「ゆっ蔵」では試飲や酒ガチャなど、観光と合わせて楽しめる点も魅力。
外観
色調は淡く無色〜ごく薄いイエロー
グラスを傾けても曇りが出にくい、澄み切った見た目です。
液面アップ。透明感がはっきり。
香り(アロマ)
立ち上がりは穏やか〜中程度で、ほのかな吟醸香。
白い花、青りんご、搾りたての米のニュアンスが清々しく広がります。
誇張のない設計で、食事に寄り添う香り運び。
味わい(パレット)
口当たりはやわらか。
会津産「夢の香」由来の米の旨みがじんわりと広がり、序盤は甘み控えめ、中盤からドライな収束。
後半は舌上で軽快に切れて、余計な甘だれを残しません。
トータルではやや辛口×やや淡麗〜中庸の設計。
質感(テクスチャー)
ボディはミディアムライト。
グリセロール感は控えめで、舌面をさらりと流れるタイプ。
冷酒帯ではシャープ、温度が上がると旨みが開きます。
余韻(フィニッシュ)
後味はクリアで短すぎない中庸の伸び。
穏やかな米の甘香を残しつつ、ミネラリーな清涼感で締めます。
適温と酒器
ベストは5〜10℃の冷酒帯。
10〜15℃に上げると香りに厚みが出て、旨みのレイヤーが増します。
うすはり・チューリップ小ぶり、または猪口でOK。
食事合わせ重視なら温度は上げすぎず、冷たさの芯を残すのがおすすめ。
おすすめペアリング
白身魚の刺身、冷奴、塩焼きの焼き魚、天ぷら、だし巻き、胡瓜と味噌、茹で青菜のおひたし。
油脂の強すぎない料理で食中酒として真価を発揮します。
スペック
銘柄 | 榮川 純米吟醸 |
---|---|
蔵元 | 榮川酒造(福島県耶麻郡磐梯町) |
特定名称 | 純米吟醸酒 |
原料米 | 会津産 夢の香100% |
精米歩合 | 55% |
アルコール度数 | 15度 |
内容量 | 720ml |
参考価格(相場) | 1,500〜2,000円(税込・720ml)※執筆時点の市場相場 |
甘辛・濃淡チャート
香味レーダーチャート
購入情報
今回は店頭で購入。
取扱は蔵の直売所「ゆっ蔵」
とくにゆっ蔵限定のため、現地で見つけたら即買いが安心です。
価格の目安は1,500〜2,000円(税込/720ml)。
モイの〆酒評
「水の良さが味の芯になる」
そんな蔵の哲学がそのまま表現された一本。
香りは控えめで上品、旨みは真面目、そしてキレは爽やか。
初心者の福島地酒入門にも、日常の食中酒ローテにも自信を持って推せます。
評価
香り:★★★☆☆/旨み:★★★★☆/キレ:★★★★☆/コスパ:★★★★☆/総合:★★★★☆
購入のコツ
ゆっ蔵限定発売のロットは数が動くため、見つけたら購入が吉。
料理合わせ重視なら、開栓初日よりも2〜3日目に“旨みの角が取れて”さらに深みが出て、飲みやすく調和が取れると感じました。
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