嬬恋高原ブルワリーの定番
「つまブルIPA」
を、同ブルワリーの
「HAZY IPA」
と飲み比べてレビューする。
同じIPAでも設計思想がまったく違う。
こちらのつまブルIPAはホップの苦味とモルトの骨格で押し切るクラシカル寄り。
もう一方「HAZY IPA」は濁りとトロピカルで包み込むモダン系。
両者をテイスティングし特徴の出方を整理した。
醸造の背景と購入メモ
嬬恋の標高と冷涼な気候は仕込み水のキレを生み、ホップの香りを伸びやすくする環境だと感じる。
350ml・アルコール6%と裏面に明記。
原材料には群馬県産麦芽の表記。
ホップとモルトの使い分けを想像しつつ栓を開ける。
外観
色調は濃い琥珀。
クリアで、グラスに注ぐとカーボネーションが細かく立ち上がる。
泡はアイボリーで目が詰み、保持は良好。
香り(アロマ)
トップは松脂や樹脂感、グレープフルーツの皮、ほのかにアプリコット。
奥行きにカラメルクラッカー様のモルト。
ヘイジーIPAが示すマンゴーやパッションのトロピカル全開と比べると、こちらはパインや柑橘のビターサイドが主役。
味わい(パレット)
入口は控えめな甘味のあと、すぐさまストレートな苦味が立ち上がる。
ミドルはモルトのふくよかなビスケット感が骨格をつくり、後半でピール様の苦味が長く残る。
「HAZY IPA」はジューシーさが苦味を包み込み、余韻はソフトに溶ける感じだった。
対してつまブルIPAは苦味が輪郭を引き締め、飲み口をドライに導く。
質感(テクスチャー)
ミディアムボディ。
炭酸は中程度で、口中で軽く弾む。
ヘイジーと比べるとシャープで、飲み疲れしにくい設計。
余韻(フィニッシュ)
グレープフルーツピールの苦味が静かに続き、松脂と微かなトーストがあとを引く。
HAZY IPAはジューシーな甘香がふわっと残るのに対し、こちらは「キレ」で締めるタイプ。
適温とグラス
温度は6〜8℃でスタートし、10℃前後まで上げるとモルト香がひらく。
冷たすぎるともったいない。
グラスは香りを集めるチューリップ。
パイントでも楽しめるが、香りのレイヤーはチューリップが取りやすい。
おすすめペアリング
- 焼き鳥(タレ)|酸味と旨味を苦味が受け止め、後口をキレよく。
- さけるスモークチーズ|燻香がホップと重なり飲み進む。
- フライドチキン|脂をホップの苦味が切る。
- ミックスナッツ|ザクっとした塩味、甘みがちょうどいい。
スペック
商品名 | つまブルIPA |
---|---|
スタイル | IPA(クラシカル寄り) |
ブルワリー | 嬬恋高原ブルワリー |
アルコール | 6% |
容量 | 350ml |
原材料 | 麦芽(群馬県産表記)・ホップ |
IBU | 非公表 |
甘味・苦味 × ライト・フルボディ チャート(比較)
香味レーダーチャート(比較)
つまブルIPAまとめ
- つまブルIPAは苦味としっかりしたモルトが魅力。
クラシックIPAの堅実さがある。 - 「HAZY IPA」はジューシーさで包み込み、苦味はソフトフォーカス。
モダンIPAとしての飲みやすさと華やかさが際立つ。 - どちらも少し温度が上がると香りが増える。
サービングの精度が体験を左右する。
モイの〆酒評
これぞとばかり硬派なまっすぐな苦味が気持ちいい。
HAZYで遊んだ後の締めに、つまブルIPAで輪郭を取り戻す。
「今日はしっかりビールを飲んだ」
そんな満足をくれる一本。


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