蔵出限定の力強さと繊細さ──日野屋 純米吟醸 生酛 無濾過生原酒レビュー

菊半旅館で下呂の天領を飲む

岐阜・飛騨の老舗「天領酒造」が手がける
日野屋 純米吟醸 生酛 無濾過生原酒
ひだほまれ100%、精米歩合60%、アルコール18度。
生酛由来の骨格と、無濾過生原酒ならではの厚みが美しく重なります。

購入メモ:購入店:天領酒造 蔵元(直売所)
参考価格:1,800〜2,300円(税込・720ml)
確認:2025年8月

日野屋 純米吟醸 生酛 無濾過生原酒とグラス

目次

酒造りの背景

飛騨の名水を用い低温発酵。
生酛の自然乳酸発酵がもたらす複雑味を活かし、加水・火入れ無しの無濾過生原酒で蔵出し。
日本酒度は+0.5で中庸設計。
米の甘味・酸味・旨味が素直に伝わるバランスです。

蔵元に聞いた貴重な話:
使用している「ひだほまれ」は、40年以上前から使い慣れている酒米。
ほんの少しだけ感じられる苦味があり、それが全体の味の幅を引き締めているとのこと。
このわずかな苦味が、日野屋の個性と奥行きを生み出しています。

日野屋 純米吟醸 生酛 無濾過生原酒 スペックラベル(裏ラベル)

外観

淡いレモンイエロー。
ごく僅かなオパールの揺らぎ。
粘性は中高で、グラスの脚はゆっくり。

日野屋 無濾過生原酒の外観(液面)

※宿のグラスで失礼

香り(アロマ)

  • トップ:青リンゴ、洋梨、メロン
  • ミドル:ヨーグルト/クリームチーズ様の乳酸香、白い花、炊き立ての米
  • ラスト:アーモンド、ライスプディングの穏やかな甘香

味わい(パレット)

アタックは濃醇で丸み。
中盤でシャープな酸が現れて旨味を引き締め、
後半にひだほまれ特有の軽い苦渋が全体をまとめ上げる。
キレはクリアで、飲み口は重さに寄らない。

質感(テクスチャー)

滑らかで厚い口当たり。
18度のボリューム感を酸の骨格が支え、
だれずに伸びる印象。

余韻(フィニッシュ)

中〜やや長め。
甘旨がほのかに残り、酸がすっと収束。
時間経過で米旨がじんわり広がります。

適温と酒器

  • 10〜12℃:香りの透明感とキレが際立つ
  • 15℃前後:旨味の膨らみが増す
  • 酒器:香り豊かなので薄口ワイングラスをおすすめします。

おすすめペアリング

  • 飛騨産の鮎・岩魚の塩焼き(香ばしさ×塩気や酸)
  • 飛騨牛のたたき(旨味の同調)
  • クリームチーズ系(乳酸香を引き立てる)

スペック表

分類純米吟醸/生酛/無濾過生原酒
原料米ひだほまれ 100%(国産)
精米歩合60%
アルコール度数18度
日本酒度+0.5
製造元天領酒造株式会社(岐阜県下呂市)
容量720ml

甘辛・濃淡チャート

辛口 淡麗 甘口 濃醇

※位置は本酒の味わい傾向(やや濃醇・やや甘口)を示す

香味レーダーチャート

香り 旨味 キレ 余韻

数値は主観評価(5点満点):香り4.0/旨味4.5/酸3.5/キレ3.5/余韻4.0

モイの〆酒評

香りで誘い、旨味で包み、キレで魅せる下呂の地酒。
トップには酢酸イソアミル由来の青リンゴ香が鮮やかに立ち、
洋梨やメロンを想わせるカプロン酸エチルが静かに寄り添う。
奥から現れる生酛特有の乳酸香が全体をまとめ、
ひだほまれ特有のわずかな苦味が味の輪郭を引き締める。
骨太さとエレガンスを併せ持つ、飛騨らしい清冽な一本でした。

購入のコツ

  • 要冷蔵・新鮮度重視:希少価値のある酒で蔵元購入が基本。
    持ち帰りはクーラーバッグ必須 or クール便発送。
  • 開栓後の扱い:香り重視なら早めに、旨味の乗りを楽しむなら数日かけて甘く変化を見るのも◎(必ず冷蔵)。
  • 温度帯で印象が激変:10〜12℃はシャープ、15℃前後はふくらみ重視。
    ペアリングに合わせて温度を使い分けるのもよいです。

他銘柄・スタイル比較のヒント

  • キレ優先派:よりドライ寄りの純米吟醸(火入れ・加水タイプ)だと軽快さが増す傾向。
  • 骨太派:生酛・山廃系の純米~純米吟醸に広げると酸と旨味の押し出しを比較しやすい。
  • フルーティ派:吟醸香主体の生酒と飲み比べると、乳酸由来の複雑味との違いが明瞭。
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