裏磐梯レイクリゾート宿泊記【2】ベルーナ株主の評価がストップ安から「V字回復」した理由
昨夜の喧騒。インバウンド客の圧倒的なパワーに押し込まれ、私のベルーナ株に対する評価は一時「ストップ安」をつけていた。
48歳の体には少々堪える夜だったが、朝は無情にもやってくる。
1. アジアの熱気と「戦略的撤退」
空腹を満たすため、朝食会場「ヒバラダイニング」の前に来ると、そこには目を疑う光景が広がっていた。
アジア人を中心としたツアー客が、我先に食べ物を取ろうと大声で話しながらごった返しているのだ。
フロント前のツアースケジュールには「6:30から朝食」と書いてあった。
中々早いがツアーなので仕方ないのか、まさにその波が直撃している状態だ。
投資においても、過熱した相場に無理に飛び込むのは得策ではない。
「ひとっ風呂浴びてからにしよう。」
喧騒に背を向け、静かなラウンジを抜けて大浴場へ向かう。
さて、温泉ソムリエとして極上の朝風呂を堪能しますか。
ここでしっかりと心身をリセットできたことが、この後の評価を大きく変えることになる。
2. 朝食のクオリティで株価は「中立」へ戻る
湯上がり後、再び朝食会場へ足を運ぶと、嵐が去ったようにツアー客がいなくなり、予想よりずっと空いていた。
見事なまでのV字回復の兆しだ。
まずは冷たい牛乳を喉に流し込む。
そして、瑞々しい新鮮なリーフレタスと、ふわとろのたまご料理。
どれも手抜きがなく美味しい。さらに、ここは喜多方の文化圏なので「朝ラー」もしっかりといただく。
透き通ったスープが朝の胃に染み渡る。
ライブキッチンで焼き上げられたフレンチトースト。
優しい甘さが良い。
料理はどれも美味しく、腹八分目で大満足。
昨夜のマイナス評価は完全に払拭され、ホテルとしてのポテンシャルを再確認した。
3. 凍てつく桧原湖と、館内探索の思いがけない出会い
部屋に戻り、荷づくりを開始。窓の外には、凍りついた桧原湖の絶景が広がっている。
この景色を眺めながらティーカップを傾ける時間、最高だ。
チェックアウトに向かう道すがら、売店に立派なセラーがあるのを発見した。ボルドーの赤ワインにも目がない私は、つい引き寄せられ、推しのワインを手に取り購入。
その足でトイレを訪ねると、「奥にあります」と案内された。
言われた通りに進むと、そこには思いがけずアートスペースが広がっていた。
静かにアートを鑑賞し、飾られた絵画を見ながら、さらに奥へと進んでいく。
4. 突然の「買い」シグナル。猫魔離宮の衝撃
………と、突然、明らかに空気の違う場所へ出た。
「なんだ…この静けさ。天井がとても高い。そして格式高い……。」
本館のあのインバウンドのカオスが嘘のように、一切の音が消えた。
重厚な調度品、洗練された空間デザイン。
ああ…そうか…。
わかった。
この圧倒的なしずけさ。
猫魔離宮にいるんだ。
「宿泊したい。。この空間にいたい。」
腹の底から、そんな思いが湧き上がってきた。
大衆向けの巨大な本館でインバウンド需要をがっちりと取り込み、稼働率とキャッシュフローを最大化する。
その一方で、この「猫魔離宮」というラグジュアリーな空間で、静寂と上質を求める層の単価を確実に引き上げる。
これが、ベルーナが描いたリゾート再生の真の姿なのだ。
一人の投資家として、この見事なまでの二段構えのポートフォリオ戦略には脱帽するしかない。
私の評価は、ストップ安から一転、強烈なV字回復を遂げ「強い買い(Strong Buy)」へと上方修正された。
次に裏磐梯を訪れる時は、迷わずこの「猫魔離宮」を指定して予約しよう。
喧騒を知っているからこそ、この静寂の価値が痛いほどわかるのだ。


