酒にまつわる語を五十音で引ける「酒語辞典」のハ行ページです。
日本酒の酒造り用語からビールのホップ名、ワイン概念、銘柄・水質・品質管理まで横断収録し、プロの現場でも参照できる粒度を目指しています。
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索引(ハ行)
は(ハ)
- 破精込み(はぜこみ)〈麹/酒造工程〉
- 麹菌の菌糸が米内部にどこまで伸長しているかの度合い。
外硬内軟や総破精など、狙いの破精形態により糖化力・香味の出方が変わる。
【関連】麹(参照)/破精落ち - 破精落ち(はぜおち)〈麹/品質〉
- 麹の破精が不十分または崩れた状態を指す。
糖化力低下や雑味の増加につながるため、製麹環境の見直しが必要。
【関連】破精込み - ハーバル(herbal)〈テイスティング語彙〉
- ハーブや草本を思わせる香り・味わいの総称。
例:バジル/セージ/タイム/ローズマリー/ミント/ディル/カモミールなど。
ビールではノーブル〜独系・英系ホップ由来(低温抽出やドライで顕在化)。ワインでは冷涼産地白(SB等)のハーブ/青草、全房や茎由来のニュアンスとして。清酒では若草・青竹様として言及されることがある。
心地よい清涼感〜複雑味としてプラスにも働く一方、過度だと「青臭い」「茎っぽい」印象になりうる。温度・抽出・熟度・酸のバランスが鍵。
【関連】ノーブルホップ(参照:の行)/ファグル/ソーヴィニヨン・ブラン/フェノール(参照:ふ行)/ノーズ(参照:の行)/サービング温度 - はね木搾り(てんびんしぼり)〈上槽/器具〉
- 梃子(てこ)を利用して圧をかける伝統的上槽法。
ゆっくりと圧をかけるため、繊細で澄んだ酒質を狙いやすい。
【関連】上槽(参照)/袋吊り - 初添(はつぞえ)〈酒造工程〉
- 三段仕込みの第一段階で、酒母に最初に掛け米・水・麹を加える工程。
以降の仲添・留添で発酵を段階的に増幅する。
【関連】三段仕込み(参照:サ行)/酒母(参照) - 八反錦(はったんにしき)〈酒米〉
- 広島由来の酒造好適米。
香りの乗りとキレの良さを両立しやすい。
【関連】精米歩合(参照) - ハラタウ・ミッテルフリュー(Hallertau Mittelfrüh)〈ホップ〉
- 独ノーブル系の代表格。
スパイシーで上品、ラガーやケルシュで真価を発揮。
【関連】ヘレス/テトナング(参照:タ行) - ハラタウ・ブラン(Hallertau Blanc)〈ホップ〉
- 白ブドウ様のアロマを与える現代的ドイツホップ。
ホップアロマ主体のラガーやホワイト系にも好相性。 - ハードセルツァー〈カテゴリー〉
- 発酵アルコールをベースに果実フレーバー等を加えた低糖・低ABVの発泡性飲料。
法的区分や課税は国により異なる。 - 播州(ばんしゅう)〈産地/水・米〉
- 兵庫県南西部の旧国名エリアで、山田錦の名産地として著名。
仕込み水と米の質が香味設計に大きく寄与する。 - 発酵(はっこう)〈工程総論〉
- 酵母・乳酸菌など微生物が糖等を代謝しアルコール・酸・香気成分を生成する過程。
温度・栄養・酸素・pH・圧力の制御が香味設計の根幹。
【関連】並行複発酵/マロラクティック発酵(参照:マ行) - ハイグラビティ醸造(High Gravity Brewing)〈ビール工程〉
- 高比重で仕込み、後段で希釈・調整する醸造設計。
発酵管理・溶存酸素・等価苦味の再設計が必須。
【関連】度数(ABV) - ハードプレス(hard press)〈ワイン工程〉
- 搾汁後半の高圧区分。
ポリフェノール・カリウム・苦味の抽出が増えるため、フリーランとの切り分けが品質鍵。
【関連】フリーラン - ハーヴェスト(Harvest)〈栽培・収穫〉
- 収穫期・収穫作業の総称。
糖度・酸・フェノール熟度・健全度を指標に適期判断。
【関連】レイトハーベスト(参照:ラ行) - ハウス酵母(house yeast)〈酵母〉
- 蔵・醸造所が継代・選抜した自家株。
香味の個性と再現性を支える資産。 - ハンドポンプ=ビアエンジン(beer engine)〈器具/提供〉
- 手動ポンプで樽生を注ぐ提供機器。
ガス圧を上げずに柔らかい炭酸とクリーミーな泡を演出。
【関連】ヘッドリテンション/サービング温度 - ハーフボトル(375mL)〈ボトル規格〉
- 標準750mLの半量規格。
熟成挙動・サービス設計・価格配置に影響。
【関連】マグナム(参照:マ行) - HBC 630(えいちびーしー630)〈ホップ/参照〉
- 本項の解説は あ行(え):HBC 630 に収録。
- ハードネス=水の硬度(hardness)〈水質〉
- 主にCa・Mg量で表す水質指標。
発酵・pH・泡持ち・口当たりに影響する。
【関連】ミネラルバランス(参照:ミ行)/マッシュ
ひ(ヒ)
- 火入れ(ひいれ)〈酒造工程〉
- 加熱殺菌と酵素失活を目的とした処理。
一回火入れ・二回火入れなど設計があり、風味・安定性の最適点を探る。 - 冷や(ひや)〈提供温度/日本酒文化〉
- 本来は常温提供を指す用語。
冷蔵提供の「冷酒」と混同しないよう注意する。
【関連】サービング温度(参照) - ひやおろし〈スタイル/日本酒〉
- 春に火入れ・貯蔵し、秋に二度目の火入れをせずに出荷する季節酒。
角が取れて「練れ」を感じやすい。
【関連】練れ(参照:ナ行)/貯蔵(参照:タ行) - 瓶燗火入れ(びんかんひいれ)〈酒造工程/品質〉
- 瓶詰めの状態で加熱する火入れ方法。
酸化や香り飛びを抑える狙いで採用される。 - ピール(peel/ぴーる)〈副原料/香味要素〉
- 柑橘などの果皮(ゼスト)。
ビールではベルジャン・ウィット等でオレンジピール(スイート/ビター)やレモン/柚子ピールを用い、柑橘アロマと軽いビター感を付与する。白ワタ(pith)由来の過度な苦味を避けるため外皮中心の削り出し・短時間接触が基本。
投入はワールプール〜コールドサイド、スパイスバッグ浸漬、ティンクチャー(アルコール抽出)など。
ワイン文脈では「果皮(skins)」表記が一般的(スキンコンタクト参照)。日本酒では柚子酒などリキュール類に応用される。
【関連】ベルジャン・ウィット/ホップスタンド/ホップ・ティンクチャー/ペクチン/スキンコンタクト(参照:サ行) - 火落ち菌(ひおちきん)〈微生物/品質〉
- 清酒を酸敗させる乳酸菌群の通称。
衛生管理・火入れ・貯蔵温度の総合管理でリスクを低減する。 - ヒュル・メロン(Hüll Melon)〈ホップ〉
- 独産。
メロンやストロベリー様の柔らかなアロマ。 - ひとごこち〈酒米〉
- 長野由来の酒米。
酸の伸びと食中適性に優れる。 - 兵庫特A地区(ひょうごとくエーちく)〈産地/酒米〉
- 山田錦の最高評価区分の一つとして知られる産地概念。
精米・選別・醸造で潜在力を引き出す。 - 瓶内二次発酵(びんないにじはっこう)〈工程〉
- 瓶内で再発酵させ泡や複雑味を得る手法。
スパークリングや発泡清酒で採用される。 - 瓶内熟成(びんないじゅくせい)〈熟成〉
- 瓶内で時間をかけて熟成させる管理。
泡では澱接触期間が旨味と泡質を高める。
【関連】瓶内二次発酵/メトード・トラディショネル(参照:マ行) - ピノ・ノワール(Pinot Noir)〈ワイン/ブドウ品種〉
- 赤系果実・花・土の繊細な表現と高いテロワール感受性で知られる。
抽出・樽・全房比率(ホールバンチ)でスタイルが大きく変わる。
【関連】ホールバンチ発酵/テロワール(参照:共通) - ビオディナミ(biodynamics)〈栽培〉
- プレパラシオンや天体暦を用いる有機農法の一体系。
土壌活性と健全果の確保を狙うが、認証・実践度は生産者により幅がある。
【関連】リュット・レゾネ(参照:ラ行)/オーガニック - ヒートショック〈品質〉
- 輸送・保管時の急激な温度変化による品質劣化。
香りの鈍化や還元・酸化の偏りを招くため、低温流通と安定保管が基本。
【関連】冷蔵保管(参照:ラ行)/低温流通(参照:タ行) - 日光臭(ライトストラック/lightstruck)〈欠点〉
- 光照射により生成する硫黄系オフフレーバー(スカンキー)。
褐色瓶・遮光・低DO・短時間提供で予防。
【関連】溶存酸素(DO)/ヘッドスペース/ボトルショック - 氷温貯蔵(ひょうおんちょぞう)〈貯蔵〉
- 0℃前後の帯域での貯蔵管理。
酸化・熟成速度を抑え、香味の鮮度維持を狙う。 - 表面発酵(top fermentation)〈発酵様式/ビール〉
- エール系に代表される上面発酵。
発酵温度が高くエステル由来の果実香を伴いやすい。
【関連】ラガー(参照:ラ行) - ピルスナー(Pilsner)〈ビール/スタイル〉
- チェコ〜ドイツに源流を持つ黄金色ラガー。
シャープな苦味と高い飲み口のクリスプさ。
【関連】ヘレス/ラガー(参照:ラ行) - ビールサーバー(ディスペンサー)〈器具/提供〉
- ドラフト提供の要。
温度・圧・洗浄・ライン長とガス種の最適化が泡質・香味に直結。
【関連】ヘッドリテンション - ビール純粋令(Reinheitsgebot)〈法規・歴史〉
- 原料を制限する独の歴史的規範。
現行法とは異なるが、品質文化の象徴として参照される。
【関連】副原料 - ビタリングホップ(bittering hop)〈ホップ役割〉
- 主に苦味付与を目的に早い段階で投入するホップ。
等価苦味(IBU)の土台を作る。
【関連】ホップ基礎
ふ(フ)
- 袋吊り(ふくろづり)〈上槽〉
- 醪を酒袋に入れて吊り、重力で酒を滴下させる上槽法。
繊細でクリアな酒質が狙えるが歩留まりは低い。
【関連】はね木搾り/上槽(参照) - 膨れ(ふくれ)〈発酵ステージ〉
- 醪表面が泡で盛り上がる発酵の活発期。
温度・泡管理・栄養バランスが鍵。 - 伏流水(ふくりゅうすい)〈水質〉
- 地表に現れない地下の流れ。
ミネラル組成が地域の酒質傾向に影響する。
【関連】水名・水質(参照) - 副原料(ふくげんりょう)〈ビール/ワイン〉
- ビールで麦芽以外の糖源や風味素材、ワインで補酸・補糖・清澄剤などの総称。
法規・表示に留意。 - フロック(凝集性/flocculation)〈酵母特性〉
- 酵母が凝集・沈降する性質。
清澄度・口当たり・ドライホップの去り方に影響する。 - ファグル(Fuggle)〈ホップ〉
- 英伝統アロマホップ。
土・ハーブの穏やかな個性でビターやESBに好相性。 - フードペアリング〈提供設計〉
- 料理との相性設計。
甘味・酸・苦・塩味・脂・温度・テクスチャーのバランスを言語化する。 - フェノール〈香味成分〉
- クローブ・スパイス様やスモーキーな香りの要因群。
酵母株・温度・麦芽のキルン条件・樽で発現が変わる。 - ブリュット(Brut)〈ワイン表示〉
- 辛口域の泡の残糖表示。
ドザージュ量でBrut/Extra Brut/Brut Natureなどに区分される。 - プロセッコ(Prosecco)〈ワイン/DOC・DOCG〉
- 主品種グレーラ(Glera)主体の伊北東部スパークリング。
通常はシャルマ法(マルティノッティ法)で造られ、Brut〜Extra Dryの残糖レンジが用いられる。
主な法区分はProsecco DOCとConegliano Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG/Asolo Prosecco DOCG、単一畑「Rive」や特級「Cartizze」を含む。
近年は滓を残す「スイ・リエヴィティ(col fondo)」表現も見られる。
【関連】ブリュット/メトード・トラディショネル(参照:マ行) - フィールドブレンド(field blend)〈ワイン〉
- 複数品種を同一畑で栽培・同時収穫・共発酵する手法。
畑単位の複雑味と一体感を狙う。 - フラッシュパスチャライゼーション〈熱処理〉
- 短時間・高温で微生物を制御する加熱法。
ビール・ワインの安定化で用いる。
【関連】火入れ - ブルワリー(brewery)〈施設〉
- ビール醸造所のこと。
仕込み・発酵・貯酒・包装までの一連設備を含む。 - フロール(flor)〈微生物膜/酒精強化〉
- シェリーに見られる産膜酵母層。
アセトアルデヒド様の独特のナッティ香・複雑味を付与。 - フィノ(Fino)〈ワイン/シェリー〉
- フロール下で熟成させる淡色辛口のシェリー。
酸化的要素が少なく塩味・ナッツ感が特徴。
【関連】フロール - フリーラン(free-run juice)〈ワイン工程〉
- 圧をかけず自然流出した果汁区分。
硬さの少ないエレガントな酒質を狙いやすい。
【関連】ハードプレス - フレッシュホップ(=ウェットホップ)〈ホップ〉
- 収穫直後の生ホップを使用。
青々しさと瑞々しいアロマが特徴だが酸化・管理に注意。
【関連】ハーヴェスト - プライミング(priming)〈ビール工程〉
- 瓶・缶・樽内で二次発酵させるための糖添加。
炭酸統合・泡質形成に寄与する。
【関連】瓶内二次発酵 - プレッシャーファーメンテーション=加圧発酵〈ビール工程〉
- 発酵槽に圧をかけてエステル抑制・炭酸溶存を図る手法。
遅延・還元・ホップクリープとの兼ね合いに留意。
【関連】ヘッドスペース/ホップクリープ - 風味安定性(flavor stability)〈品質〉
- 時間経過による香味の変質の起こりにくさ。
DO・温度・光・金属触媒・ポリフェノール管理など多因子対策が必要。
【関連】溶存酸素(DO)/ヒートショック
へ(ヘ)
- 並行複発酵(へいこうふくはっこう)〈工程概念〉
- 麹の糖化と酵母発酵が同時進行する日本酒特有の方式。
高いアルコール度数と立体的な旨味形成に寄与する。
【関連】糖化(参照:タ行)/酒母(参照) - ヘッドリテンション=泡持ち〈品質/ビール〉
- 泡が持続する性質。
タンパク・ホップ由来成分・ガス圧・温度・グラス洗浄で左右される。 - ヘレス(Helles)〈ビール/スタイル〉
- 独ミュンヘン発祥の淡色ラガー。
柔らかなモルト感と穏やかな苦味、クリーンな発酵が肝。 - ヘッドスペース(headspace)〈容器/品質〉
- 容器上部の空間。
酸素残留や再発酵、還元匂いの要因となるため、充填設計とDO管理が重要。
【関連】溶存酸素(DO)(参照:共通) - ヘイジーIPA(Hazy IPA)〈ビール/スタイル〉
- NEIPAと重なる濁り系IPAの総称。
高クロライド水質・タンパク由来ヘイズ・大量ドライホップでジューシーなアロマと低IBUを狙う。
【関連】NEIPA(参照:ナ行)/ホップバーン - ベントナイト〈清澄剤/ワイン〉
- タンパク質を除去する粘土系清澄剤。
用量・接触時間・温度の最適化が重要。
【関連】清澄(参照:サ行) - ペティアン・ナチュレル(Pétillant Naturel/Pet-Nat)〈ワイン/発泡〉
- 一次発酵中のワインを瓶詰めして瓶内で発泡させるアンセストラル方式。
滓混じり・王冠打栓・残糖の揺らぎ等がスタイルの個性。
【関連】瓶内二次発酵(※方式は異なる)/遊離亜硫酸(参照:や行) - ベルジャン・ウィット(Witbier)〈ビール/スタイル〉
- 小麦・コリアンダー・オレンジピール等の副原料を用いる白ビール。
柔らかな口当たりとスパイスの調和が特徴。 - ヘテロ乳酸発酵(heterofermentative)〈微生物代謝〉
- 乳酸と同時にCO₂やエタノール等を生成する乳酸発酵型。
酸味の質・ガス・香気に影響。
【関連】ホモ乳酸発酵(参照:ほ行)/MLF(参照:マ行) - ヘルスブルッカー(Hersbrucker)〈ホップ〉
- ドイツの伝統アロマ。
フローラルで穏やか、ラガーやケルシュに適性。
【関連】ヘレス - エチルヘキサノエート(=ヘキサン酸エチル)〈香味成分〉
- 青リンゴ様の果実香を与える主要エステル。
発酵温度・酵母栄養で生成量が変動。 - ヘイズ(haze/濁り)〈外観〉
- 懸濁由来の濁り。
タンパク・ポリフェノール・ペクチン・酵母等が要因。
【関連】ヘイジーIPA - ペールエール(Pale Ale)〈ビール/スタイル〉
- エールの基本形。
モルトとホップの均衡、クリーンな発酵が核。 - ペクチン(pectin)〈成分/清澄〉
- 果汁由来の多糖。
濁りの要因となるためペクチナーゼや清澄で対処。
【関連】清澄(参照:サ行) - ペレットホップ(pellet hops)〈ホップ形態〉
- 乾燥・粉砕し圧縮成形したホップ。
抽出効率・保存性に優れるが粉末由来の渋み管理が必要。
【関連】ホールホップ
ほ(ホ)
- ホップ(hop)〈原料/ビール〉
- ビールの苦味・香り・泡持ち・泡持ち・酸化安定に寄与する毬花。
品種(ノーブル/モダン)、形態(ホール/ペレット/クライオ)、投入タイミング(ビタリング/フレイバー/アロマ/ドライ)で表現が大きく変わる。
【関連】ビタリングホップ/ホールホップ/ペレットホップ/ホップクライオ/ホップスタンド/ホップクリープ - 放冷(ほうれい)〈酒造工程〉
- 蒸米を広げて冷ます工程。
品温・水分ムラを整え、製麹・仕込みの精度を高める。 - ホップスタンド(hop stand)〈ビール工程〉
- 煮沸停止後の高温帯でホップを接触させる手法。
苦味を抑えつつアロマ抽出を狙う。 - ホップバーン〈感覚特性/ビール〉
- 多量のホップ懸濁物により感じる舌・喉の刺激感。
ドライホップ量・粒度・清澄工程の設計で軽減する。 - ホップクライオ(CRYO Hops)〈ホップ製品〉
- 低温でルプリンを高濃縮した製品群。
青さや渋みの低減と歩留まり向上を狙える。
【関連】ルプリン(参照:ラ行)/T-90(参照:タ行) - ホップクリープ(hop creep)〈発酵/品質〉
- ドライホップ由来酵素等により瓶・缶内で再度発酵が進む現象。
残糖低下・炭酸上昇・過圧のリスクがあり、温度・タイミング・パストライゼーションの設計が鍵。
【関連】溶存酸素(DO)/二酸化炭素圧(参照:ナ行) - ホールホップ(whole cone)〈ホップ形態〉
- 毬花を圧縮せずそのまま使用する形態。
濾過性や吸液量、アロマの質がペレットと異なる。 - ホールバンチ発酵(whole bunch)〈ワイン工程〉
- 除梗せず房ごと発酵させる手法。
スパイス・フローラルの複雑味やテクスチャーに影響。
【関連】ピノ・ノワール/マセラシオン(参照:マ行) - ブレンド〈設計〉
- 複数のロットや樽・品種を合わせ、狙いの香味・一貫性・複雑性を作る技法。
清酒・ワイン・ウイスキー・ビールいずれにも用いられる。 - ボディ〈感覚特性〉
- 口中での重さ・厚みの印象。
残糖・アルコール・グリセリン・酸・タンニン・温度で変わる。 - ポリフェノール〈成分〉
- 渋味・色安定・抗酸化に関わる成分群。
ワインでは果皮・樽、ビールでは麦芽・ホップ由来が中心。 - ボトリティス(貴腐菌/Botrytis cinerea)〈ワイン〉
- 果皮の水分を奪い貴腐香と高濃度糖をもたらす菌。
トカイ/ソーテルヌ等の甘口で鍵となるが、灰色かびとの線引きと収穫見極めが重要。
【関連】レイトハーベスト(参照:ラ行) - ボトルショック(bottle shock)〈品質〉
- 瓶詰直後や輸送直後に香味が閉じる現象。
数日〜数週間の静置で回復することが多い。 - 本醸造(ほんじょうぞう)〈分類/日本酒〉
- 醸造アルコールを一定量加えた日本酒のカテゴリー。
香りの引き出しやキレの演出を狙う設計。
【関連】アル添(参照:ア行) - ホッグスヘッド(hogshead)〈樽規格/ウイスキー〉
- 約225〜250L程度の樽規格。
熟成速度や抽出バランスがバレル/バットと異なる。 - 北海道(ほっかいどう)〈産地/酒米・ホップ〉
- 酒米「きたしずく」やホップ栽培で存在感を高める地域。
冷涼な気候と水資源が香味設計に寄与。 - ホットブレイク(hot break)〈ビール工程〉
- 煮沸時に生じるタンパク凝集塊。
十分なローリングボイルとワールプールで分離・除去。
【関連】ローリングボイル(参照:ラ行)/ワールプール(参照:ワ行) - ポットスチル(単式蒸留器)〈設備/蒸留〉
- 単回蒸留ごとに香味を選別しやすい蒸留器。
形状・加熱・銅接触がエステル生成や硫黄低減に影響。 - ホワイトオーク(White Oak)〈樽材〉
- アメリカンオークの代表材。
バニリン・ラクトン・ココナッツ様のニュアンスを付与。
【関連】リムーザン(参照:ラ行) - ホイール式除梗破砕機(roller destemmer)〈設備/ワイン〉
- 除梗と破砕を同時に行う機器。
果皮・種子破砕度の管理が渋味・苦味に直結。
【関連】マセラシオン(参照:マ行) - ボトリング(bottling)〈包装工程〉
- 最終容器への充填。
DO・ヘッドスペース・殺菌・打栓・打冠の総合管理が品質の肝。
【関連】溶存酸素(DO) - ホップ・ティンクチャー(hop tincture)〈ホップ技法〉
- ホップをアルコール抽出した溶液で香りを補正する方法。
酸化・雑味の回避と衛生管理が前提。
【関連】ホップスタンド - ボルドー(Bordeaux)〈産地/ワイン〉
- 左岸カベルネ主体・右岸メルロー主体のブレンド文化で著名。
格付・地区・土壌と熟成設計の理解が鍵。
共通・補助項目(参照)
- 麹〈酒造工程〉
- 米に糖化力を与える基幹工程。
香味の土台。 - 上槽〈酒造工程〉
- 醪から酒と粕を分ける工程。
袋吊り・槽・遠心など方式で印象が変わる。 - 水名・水質〈水質〉
- 地域水系の硬度・ミネラル特性は香味へ直結する重要要素。
軟水/硬水の設計は発酵挙動にも影響。 - サービング温度〈提供設計〉
- 供出時の温度最適化。
スタイル別に適温帯が異なる。 - 度数(ABV)〈分析値・指標〉
- 容量%で表すアルコール度数。
温度・計測法・炭酸の有無で読み替えが必要な場合がある。 - 溶存酸素(DO)〈品質管理〉
- 酸化・劣化の主要ドライバー。
瓶詰・樽詰・移送時のDO最小化が香味維持の肝。
収録(一覧・キーワード)
【日本酒(は行抜粋)】破精込み/破精落ち/はね木搾り/初添/瓶燗火入れ/瓶内熟成/ひやおろし/火落ち菌/放冷/発酵/本醸造/氷温貯蔵 ほか。
【酒米・産地】八反錦/ひとごこち/兵庫特A地区/播州/北海道 ほか。
【ビール(は行抜粋)】ヘレス/ヘッドリテンション/ヘッドスペース/ヘイジーIPA/ホップスタンド/ホップバーン/ホップクライオ/ホップクリープ/ホールホップ/ハイグラビティ醸造/ピルスナー/プレッシャーファーメンテーション/ホットブレイク/ビタリングホップ ほか。
【ホップ(は行抜粋)】Hallertau Mittelfrüh/Hallertau Blanc/Hüll Melon/Fuggle/Hersbrucker/フレッシュホップ/ペレットホップ ほか。
【ワイン(は行抜粋)】フィールドブレンド/プロセッコ/ブリュット/ピノ・ノワール/ボトリティス/ボルドー/ハードプレス/フリーラン/フロール/フィノ/ホイール式除梗破砕機/ハーフボトル ほか。
【横断・品質】ヒートショック/フラッシュパスチャライゼーション/ボトルショック/ポリフェノール/日光臭/風味安定性/ハードネス(硬度)/エチルヘキサノエート ほか。