何グラムまで安全?脳・胃腸のリスクを数字で読む飲酒ガイド

「一杯はむしろ体に良い?」
から
「一滴でも危険?」

まで玉石混交。
結局“どれくらい”が現実的な
安全ラインなのか

私”モイ”が大好きなお酒と末永く付き合っていくため、
厚労省ガイドと最新研究を俯瞰して、迷いをスパッと断ち切ります。



適正飲酒量は
「1単位=純アルコール10g」


まずはこの“標準単位”を基点に考えましょう。
目安としては、男性は40g(4単位)、女性は20g(2単位)を超えると生活習慣病リスクが上がると言われます。

【計算してみましょう】あなたの1杯は何グラム?

純アルコール量: g 単位(10g換算): 目安:—
※標準単位=純アルコール10gとして換算。

1. まず“純アルコール量”で考える(ガイドラインの芯)

生活習慣病リスクを高める目安(男性)
1日 40g 以上(≒ 4単位
※厚労省「健康的な飲酒に関する指針」より
生活習慣病リスクを高める目安(女性)
1日 20g 以上(≒ 2単位
体格差・代謝差を考慮し、低めの設定

純アルコール量の式:
容量(ml) × 度数(%) × 0.789 = g

📏 お酒の単位(標準単位)って?

管理をシンプルにするために、
標準単位=純アルコール10g
という単位を使います。
上の計算ツールや下の表もこの単位で考えると直感的。

  • ビール缶350ml(5%)≒ 14g1.4単位
  • 日本酒 1合180ml(15%)≒ 22g2.2単位
  • ワイングラス150ml(12%)≒ 14g1.4単位
  • ウイスキー シングル30ml(40%)≒ 9.5g約1単位

※“男性40g/女性20g以上でリスク上昇”目安は、それぞれおよそ4単位/2単位に相当。

🍺 よく飲む一杯=何グラム?(暗算リスト)

飲料分量概算(g)
ビール
ビール缶 350ml(5%)約 14g
ビール中瓶 500ml(5%)約 20g
日本酒
日本酒1合 180ml(15%)約 21〜22g
日本酒四合瓶 720ml(15%)約 85g
ワイン
ワイングラス 150ml(12%)約 14g
ワインボトル 750ml(12%)約 71g
バーボン/テキーラ(40%)
ショットシングル 30ml約 9.5g
ショットダブル 60ml約 19g
ハイボール
350ml(9%)約 25g
店(グラス)約300ml(ベース30ml・40%)約 9.5g
例:ビール500ml×5%×0.789≒19.7g。
ガイドラインはあくまで「目安」。体調や気分で日々はブレます。
“1日”でなく“週”の合計で整えるのが現実的。

2. 胃腸の現実:飲み過ぎはすぐ炎症モード

慢性的にハイボリュームが続くと、
胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎、さらには膵炎リスク
まで波及。
粘膜の防御力が落ち、回復にも時間がかかります。
基本動作は2つ——
空腹で飲まない同量の水(チェイサー・和らぎ水)
水を挟むと味や香りの再現性も上がります。

3. 脳(認知症)について:Jカーブ神話から“少ないほど良い”へ

近年の大規模解析では、
飲酒量が増えるほど認知症リスクが直線的に上昇
という報告が相次ぎます。
とくにメンデル無作為化(遺伝子を使った因果推定)では、従来の「少量は保護的」というJカーブは支持されにくい傾向。

結論はシンプル——

“ゼロか、なるべく少量”が脳にはベター

※個別研究で強さは異なりますが、共通メッセージは「保護効果は期待しない」方向。

4. “楽しみながら守る”5つのルール

  1. 量を「グラム」で記録:アプリや手帳で見える化。
  2. 週に2日の休肝日:連続飲酒を断つ。
  3. 水は同量:1杯につき水1杯。脱水・悪酔い対策。
  4. 空腹NG+たんぱく質:胃壁を守り吸収をマイルドに。
  5. 睡眠×軽運動で整える:翌朝30分の散歩だけでもOK。習慣に。

香りと味を“保つ”飲み方ガイド

「空腹で飲まない」「同量の水」
は健康だけでなくテイスティング精度でも必須。
現場の定番テク+生理学の知見をまとめますのでうまく取り入れましょう。

1)空腹NGの理由(テイスティング的にも損)

  • 吸収が一気に進む
    …胃が空だとアルコール吸収が早まり、鼻・舌の感度が鈍りやすい
    ナッツ・チーズ・全粒パンなどを先に。
  • 胃粘膜の保護
    …軽食→水→一杯の順で、刺激を緩和して感覚を均一化

2)同量の水を挟む理由(香り・味が“戻る”)

  • 嗅覚のリセット
    …嗅覚は同じ香りに十数秒〜数十秒で順応
    無香の水をひと口→鼻で2〜3呼吸で回復。
  • 味覚の再調整
    …口中をニュートラルに戻し、次のグラスの甘辛・酸・苦のコントラストを明瞭に。
  • 脱水予防杯=水の同量が体調キープの近道。

3)テイスティングに習う“小ワザ”

  • 水は常温〜やや冷(10〜15℃)の軟水。強炭酸・レモン水は味覚を歪めやすい。
  • 無香の口直し…無塩クラッカー/食パンの耳。
    甘味・スパイスは残香が強くNG。
  • 順番設計…繊細→芳香→樽・熟成→甘口(清酒・ワイン)。ビールはラガー→エール→ホップ強→ロースト。
  • “鼻休め”の間合い…1杯ごとに20〜30秒外気。人の嗅覚は20秒で香りに慣れてしまう特性があるので、鼻休めは30秒以上としてゆっくりと香りを楽しむ。

5. 飲んだ日の「回復ルーティン」:軽い運動が効く理由

50歳からのらくらくジョギング

“量を整える”のと同じくらい
翌日の整え方が大事。
軽い有酸素運動はリカバリーの相棒
です。

  • 血流アップで回復体感◎:代謝の主役は肝臓ですが、循環が上がると倦怠感が抜けやすい。
  • 自律神経の再調整:会話できるペースが◎。
  • 睡眠の深さ改善:日中の軽い運動は入眠・深睡眠を後押し。
おすすめメニュー(体調良い日に)
  • ウォーキング20〜30分/スロージョグ15〜20分
  • ヨガ・ストレッチ10分+外気浴
  • 水分・電解質+朝食(たんぱく+炭水化物)をセットに
NG:強い二日酔い・寝不足・脱水時の高強度トレ、長時間サウナ単独。まずは水分と休息を。

モイ メソッド

6. まとめ:今日の一杯を“未来に感謝される量”へ

ガイドは“線引き”。大切なのは体調と習慣作り。
①グラム換算 →
②週合計で俯瞰 →
③少ない方に寄せる

——この3ステップで、楽しみと健康は両立できます。
何事もストイックすぎると反動が来るもの。
現代のストレスを一瞬やわらげてくれるのもお酒

お酒は、
人と人の距離をふわっと縮める潤滑油
とも考えられます。
上手に使えば、食や人との時間を豊かにしてくれる相棒です。
記憶が飛ぶほど“浴びる”のではなく、
良いお酒+五感で“良い時間”を設計する——そんな大人の飲み方を推します。


※本記事は一般情報です。医療助言ではありません。20歳未満・妊娠中の飲酒は法律で禁止。持病・服薬中の方は専門家にご相談を。

※当サイトでは20歳未満の方の飲酒を推奨しておりません。お酒に関する情報は20歳以上の方を対象に掲載しています。ノンアルコール飲料の紹介も、20歳以上の方を対象としています。

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