【1104号室】重厚な扉の向こう側。妻へのサプライズと、優雅なる軽井沢の非日常
前回の記事では、美術館のような静寂に包まれた廊下を抜け、いよいよ今日の部屋に辿り着いたところまでをお届けした。
期待と、少しばかりの緊張。
おお……凄い。
ぶ厚い1枚物の、ずっしりと重みのある大きなドア。ゴールドのノブに手をかけ、ゆっくりと押し開ける。
その瞬間、目に飛び込んできた光景に、僕は思わず息を呑んだ。
一体、何部屋あるんだ……?
どこまでも奥行きを感じる、広々としたリビングルーム。
パノラマのような大きな窓からは、軽井沢の豊かな森がまるで一枚の絵画のように切り取られている。外の冷涼な空気とは無縁の、暖かく優雅な空間がそこにあった。
リビングの奥へと視線をやると、そこには天蓋付きのベッドが鎮座する寝室が。
クラシカルで品のある間接照明が、今夜の極上の眠りを約束してくれているかのようだ。
寝室も凄い……と圧倒されている場合ではない。
実のところ、今の僕には部屋の広さよりも「気になっていること」があった。リビングのテーブルに目を向ける。
そうだ!これだ。
ホテルの方に事前にこっそりお願いしておいた、ホワイトデーのサプライズ。
テーブルの中央には、二羽の白鳥が首を寄せ合う美しいタオルアートが設えられ、その周りには赤い花びらがロマンチックに散りばめられている。
ユンが「なにこれ〜」と嬉しそうな声を上げ、ニコニコしながらテーブルへと近づく。
そして、スワンの間に置かれた一通の白いメッセージカードに手を伸ばした。
彼女が封を開けるその瞬間、僕は内心ゴクリと息を飲んだ。
どうだ……?
『ご一緒します ユンの人生』
カードの文字を読んだユンは、照れくさそうに、でも心底嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
よし!上手くいった!
ちなみにこのフレーズは、リゾートトラストの企業スローガン「ご一緒します、あなたの人生」から拝借したもの。
この上質な空間が、僕の不器用な言葉を何倍にも格上げしてくれた。粋な演出に協力していただいたサンクチュアリヴィラのスタッフの方々には、感謝してもしきれない。
ROOM TOUR
サプライズの成功という安堵感に包まれながら、さらに部屋の奥、水回りへと足を踏み入れる。
そこには、深みのあるグリーンの天然石が贅沢に使われた、広々としたダブルシンクの洗面台。


傍らには、まるでオブジェのように角を立てて綺麗に畳まれた、目にも美しいタオル。
ふと振り返れば、そこにも「Sanctuary Villa」の流麗な刺繍が入ったタオルがふんだんに掛けられている。
タオル、バスタオル、バスローブは棚の上や台車の上にも大浴場かと思うくらいに畳まれている。
これだけたっぷりと用意されていれば、一度使った濡れタオルを乾かして再び使う、なんていう日常の我慢はここでは一切無縁だ。


視線を移すと、クラシカルなゴールドとシルバーが輝く、豪華なカラン(蛇口)が目に飛び込んでくる。
その先には……窓の外に広がる木立を独り占めできる、広大な円形のジャグジーバス。
溢れんばかりの泡に包まれ、スパークリングワインを飲み……
景色を眺めたりしながらお湯に身を委ねる時間は、まさに至福。


このジャグジーは、夜や早朝にはさらに妖艶な顔を見せる。
バイオレット、そして深いブルーへと移ろうライトアップ機能。幻想的な光と泡に包まれていると、日々の忙しさが遠い別世界のことのように思えてくる。


風呂上がり、ふと視線を伸ばした先にあるティッシュケースすら、重厚なゴールド。
生活感を徹底的に排除する美学を感じる。
リビングに戻り天井を見上げれば、そこには繊細な意匠が施されたシャンデリアが、柔らかく暖かな光を落としていた。
部屋の片隅にある暖炉に揺らめく炎を灯し、本物のシルバー製の重いワインクーラーからツルヤで購入したシャンドン ロゼをバトラーの頼み、用意してくれたグラスに注ぐ。
グラスの中で立ち昇るきめ柔らかなピンクの細やかな泡を眺めながら、静かに乾杯。
……そして、明るい窓辺のテーブルに席を移し、ふうっと一息つきながらこちらで開けるのは、愛してやまないヤッホーブルーイングの「インドの青鬼」
優雅なリビングでシャンドン ロゼを。
こちらでは軽井沢の森を見ながら佐久のヤッホーブルーイングのガツンと苦味の効いたIPAを煽る。
この飾らないコントラストがたまらなく自分らしいし、何より最高に美味い。
シャンドン ロゼを空けたままこちらも開けるなんて贅沢…。
優雅な時間とは、単に豪華な部屋に泊まることだけではない。
大切なパートナーの笑顔を引き出し、心からリラックスして自分の好きなものを味わう。そんなゆったりとした時間を共有することこそが、大人の休日の真の贅沢なのだと思う。
毎日、身を粉にして働いている……。
実家の整理や親の介護している
同世代の皆さん。
たまには思い切って、1日でも…大切な人と一緒にこんな「非日常」へ足を踏み入れてみてはいかがだろうか。きっと、これからの人生をさらに豊かにする、忘れられない思い出になるはずです。
さて、最高のお部屋とシャンドンで喉を潤した後は……
お待ちかね、絶品のディナータイムへと向かおう。
(次回、絶品のディナー編へ続く…)

