其の二|食べる前に手を合わせたくなる——尊すぎて、この罪悪感。
目次

—何か言わんとこちらを見る和菓子—
【食べてはいけないもの100選】
千葉県 千葉市某所
菊園(きくぞの)
この和菓子、もはや“存在”
至極丁寧に細工されたその姿は、和菓子というよりも、もはや“存在”だった。
千葉市の老舗、菊園が放つアマビエ練り切り。
なぜ「いただきます」と言えないのか
小さな瞳がじっとこちらを見ている。
喉が鳴る。手が止まる。
なぜ、僕はこれを前にして「いただきます」が言えないのか。
尊すぎる。神聖すぎる。
食べたその先に残ったもの
手を伸ばすのが少しためらわれる。
それくらい、この練り切りには“気配”がある。
割った瞬間、ふわりと漂う白あんの香り。
食感はなめらかで、すぅーと溶けるような優しさ。
でも、心のどこかで「本当に食べてよかったのか」と問いが残る。
これはもう、ただの和菓子じゃない。



この存在…大口開けてかぶりつけなかった。
店のこと|千葉の名店「菊園」

「菊園(きくぞの)」は、昭和元年創業、千葉市を代表する老舗和菓子店。
繊細な細工と上品な味わいに定評があり、長年地元の人々に親しまれてきた。
代表銘菓「栗もなか」は、かつて天皇陛下に献上されたこともある格式の高い逸品。
また、御成のわらび餅も人気。
今日の教訓
「尊いものを食べる時、人は少しだけ罪人になる」
【食べてはいけないもの100選】