※軽井沢限定 クラフトザウルス Brut IPA 実飲レビュー|ビールから「シャンパン」へ。超ドライのキレと繊細な泡


※2025/9/16 那須高原のセブンイレブン2店舗で発見!!ここは軽井沢か?!と驚きながら購入してきました


軽井沢で生まれた限定シリーズ「クラフトザウルス」から、Brut IPAをテイスティングした記録。
缶のコピーは、ビールからシャンパンへの次元跳躍を匂わせる超ドライ志向。
注ぎの勢いが良すぎて、泡がグラスの縁からつっと流れ落ちたのは御愛嬌……。
結論、辛口派に刺さるキレの良さと、繊細な泡構造が魅力の1本だった。

長野県軽井沢で醸すヤッホーブルーイングのクラフトザウルス Brut IPA 缶側面。火山イラストと挑発的コピーが特徴

目次

醸造の背景

製造は長野・軽井沢のヤッホーブルーイング。
シリーズのなかでもBrut IPAは、高発酵による残糖の少ない軽やかなボディと、シャンパンを思わせる乾いたフィニッシュを狙った設計。
トレンドとしては2010年代後半に広がったスタイルで、ドライでありながらホップのアロマを立たせるのが肝だ。

クラフトザウルス Brut IPA 缶の背面。注意書きとバーコード、軽井沢の限定感が伝わる

Brut IPA スタイル簡解(信頼できる要点)

何を目指すスタイルか
「Brut」はシャンパンの辛口表現に由来。
狙いは残糖感を極限まで抑え、軽いボディと鋭いキレを実現しつつ、ホップの香りをクリーンに立ち上げること。

どうやって甘さを抑えるか
鍵は発酵で消費されにくいデキストリン類を、酵素や発酵設計で発酵可能糖に分解してしまうアプローチ。
代表的にはアミログルコシダーゼ(グルコアミラーゼ)を麦汁や発酵段階で用い、最終比重を下げる。
同時にマッシュ温度を低めに設計したり、高減衰の酵母を選び徹底的に発酵を進める。

味わいの設計思想
甘味を削ったぶん、苦味は中庸でも体感はシャープに出る。
ホップは香り重視で、シトラスや白葡萄、トロピカルのトーンが主役。
カーボネーションはやや高めに設定し、細かな泡で口当たりを軽くする。

サービングと相性
6〜8℃、白ワイングラスやフルートで「香りの集約」と「泡の繊細さ」を見せると本領を発揮。
塩・酸・ハーブを使う料理と親和性が高い。

クラフトザウルス Brut IPA 缶の原材料表示と製造者情報。麦芽とホップ、アルコール分4.7%と記載

外観

色調は淡いストローゴールド。
微細な濁りがあり、細かい気泡がゆっくりと立ち上がる。
フォームはきめ細かく、白く密度の高いクレマが形成される。

クラフトザウルス Brut IPA をグラスへ注ぐ瞬間。麦汁の色と泡立ちが見える

クラフトザウルス Brut IPA 注ぎの連続ショット。きめ細かな白泡

香り(アロマ)

立ち香はフローラルとシトラスの中間。
白葡萄、熟したグレープフルーツ、少量のトロピカル。
ホップ由来の華やかさに対し、モルトの甘いニュアンスは控えめ。
温度が上がるとハーバルさが顔を出す。
全体にクリーンで、揮発の切れが良い。

味わい(パレット)

ファーストアタックは軽快。
残糖感が少なく、ドライな印象が最初から支配的。
苦味は中庸だが、甘さが抑え込まれているため体感はシャープに寄る。
ホップの果皮様フレーバーが舌の側面に長く残る。

質感(テクスチャー)

カーボネーションは中程度からやや高め。
泡の粒径が細かく、舌上での摩擦が少ない。
ボディはライト〜ミディアム。
飲み心地は非常に軽い。

余韻(フィニッシュ)

後味は潔く短い。
「甘さが残らない」ではなく「甘さが出てこない」というタイプのキレ
柑橘の白いワタのようなほろ苦さがさっと消え、口中はすぐリセットされる。
勢いあまり、立ち上がる泡のパワーに対応できず溢れたのは御愛嬌…。

注ぎ過ぎで泡がこぼれるハプニング。泡保持の良さが分かる

グラスショット。ストローゴールドの液色ときめ細かな白泡、上面フォームが厚い

適温とグラス

6〜8℃でクリーンな香りとシャープな飲み口が最も引き立つ。
薄手のチューリップ型や白ワイングラスで、揮発と集香のバランスを取るのがおすすめ。
泡の質感を見せたいならフルートも面白い。

おすすめペアリング

  • しっかり:白身魚のカルパッチョ(柑橘とハーブ)、塩で食べる天ぷら、レモンを効かせたローストチキン。
  • しっかり:フレッシュシェーブルチーズ、牡蠣のグリル(レモン)。
  • コンビニOK:サラダチキン(プレーン)/枝豆。
  • コンビニOK:ポテトチップス(うす塩)やじゃがりこなど塩味系スナック。

スペック表(缶表記より)

商品名クラフトザウルス Brut IPA(限定)
スタイルBrut IPA(超ドライ系)
醸造所ヤッホーブルーイング(長野・軽井沢)
原材料麦芽、ホップ
アルコール分4.7%
容量350ml
参考「ビールからシャンパンへ」のコンセプトに沿った超ドライ設計。
残糖感を抑えたクリーンな飲み口。

甘辛・濃淡チャート(ビールver.)

辛口寄り・ライトボディ の座標にプロット。

淡麗 濃厚 甘口 辛口 甘辛 濃淡(ボディ)

香味レーダーチャート(ビールver.)

評価軸は「ホップ香/モルト感/苦味/ドライ感/余韻」。
ホップ香とドライ感が強く、モルトは控えめという構図。

ホップ香 モルト感 苦味 ドライ感 余韻

モイの〆酒評

甘さで説得しないビール。
そのぶん香りは清潔で、リセット能力が高い。
一杯を短距離で飲むより、食事と並走させて何杯でもいけるタイプだ。
辛口派、あるいは白泡のシャンパンに親しんでいる人には「わかる」一本になるはず。


撮影メモ(一次情報)

  • 白ワイングラスを使用。
  • 注ぎの勢いが強く、泡がこぼれ落ちるハプニングあり。
    泡の粘度は高く、消え切るまでの保持は良好。

※本文中の用語リンク:アロマドライ苦味キレカーボネーションホップモルト余韻

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