【第4章】よなよなエール 大人の醸造所見学ツアー|プロが教える試飲順・ペアリング

長野・佐久「ヤッホーブルーイング 大人の醸造所見学ツアー」に行ってきた人向けではなく、これから /来年?行こうと思っている人の背中を押すための実践ガイドです。
温度管理の現場、試飲のコツ、各銘柄の特徴やおすすめペアリングまで、プロ目線で要点を整理しました。
写真はすべて現地撮影。
横スクロールのフォトダイジェストから雰囲気をどうぞ。

温度管理パネル
仕込み環境を支える温調パネル
ドラフトタップが並ぶ試飲カウンター
金色タップとずらり並ぶ缶。試飲タイム
有頂天エイリアンズを注いだプラカップ
待望の有頂天エイリアンズはフレッシュなタップから
5種類を並べたテイスティングカップ
水曜ネコ〜ブラックIPAまで、5種の飲み比べ
目次

ツアーの流れと所要時間のめやす

受付→説明→仕込み現場の見学→試飲カウンターでのテイスティング、という流れ。
体感の所要は約90分前後。
説明は要点が整理され、クラフトビールが初めての方でも置いていかれない進行です。

試飲室のスタッフカード掲示ボード
試飲室のスタッフカード。案内はmoca・てつこの二枚看板

プロが見た注目ポイント

  • 温度管理の徹底:冷却2℃の明示で、貯蔵やサービングの安定性が担保されている。
    低温は酸化・雑味の抑制に直結
  • ドラフト設備の清潔感:タップ周りの拭き上げやピッチャーの扱いが丁寧。
    泡質の安定に寄与
  • 教育の行き届いたサービング:注ぎ速度・角度を揃え、泡と液体の層が薄く混ざらないように管理
温度管理パネルのクローズアップ
RA冷却2℃の表示。環境づくりは品質安定の要
タップからピッチャーへ注ぐシーン
注ぎはスピードより均質。泡・液比のコントロールが巧みです

テイスティングのコツと順番

基本は軽い順=色が淡くアルコール度数の低いものから
口中は水でリセットしながら進めると、それぞれの個性を明瞭に捉えられます。

用語リンク:ホップモルトアロマスタイル
和らぎ水のカップを手に掲げる
ビールの香味を正しく感じるための和らぎ水。舌の感度を保持
試飲中に和らぎ水を飲もうという案内パネル
公式にも推奨されるリセット方。次の一杯がクリアに

試飲ラインナップ解説とペアリング

今回の順番は「水曜日のネコ → よなよなエール → インドの青鬼 → 有頂天エイリアンズ → クラフトザウルス ブラックIPA」。
まずは全体像をマップで把握してから飲むと記憶に残ります。

ボディ 苦味(IBU) フル ライト 水曜日のネコ よなよなエール インドの青鬼 有頂天エイリアンズ ブラックIPA

※相対配置は当日提示のIBU・EBCボードと現場テイスティングに基づく概算です。

水曜日のネコ|Belgian White

淡いレモンイエローの水曜日のネコ
淡色・低IBUからスターターに好適。小麦由来のやわらかさ
ペアリングの考え方
香りは優しく、塩味系スナックや白身魚の軽い前菜と好相性。

よなよなエール|American Pale Ale

よなよなエール等のタップ前クローズアップ
トロピカル寄りのアロマと心地よいモルト感。バランス型
香味レーダー|よなよなエール 香り 苦味 コク ジューシー キレ
よなよなエールのおすすめペアリング
推奨ペアリングはローストチキン/湖池屋ポテトチップス のり塩

パッケージの月は一見「中途半端な月」。
実は「ごく普通の日常の月」を表現し、毎晩=よなよな 気軽にエールをという想いが込められているとのこと。

インドの青鬼|IPA

インドの青鬼の試飲カップ
大量ホップ由来のストロングな苦味と深いコク!
インドの青鬼の特徴スライド
グレープフルーツ様の華やかな香りもポイント
香味レーダー|インドの青鬼 香り 苦味 コク ジューシー キレ
インドの青鬼のおすすめペアリング
推しはスパイシーなカレー/麻婆豆腐。辛味と強苦味の相乗
てつこの逆ペアリング提案
てつこの“真逆”提案。苦味が甘味を引き立てるデザート合わせ

豆知識|IPAの起源は大航海時代。
イギリスから当時の植民地インドへ長期輸送するため、防腐作用を期待してホップを大量投入したのが始まりとされる。
結果として強い苦味と香りが個性として確立した。

有頂天エイリアンズ|Hazy IPA

有頂天エイリアンズの紹介パネル
踊ろよ、地球人。自由時間をぶちあげるヘイジーIPA
有頂天エイリアンズのテイスティング
濁りのある淡いゴールド。ジューシーでソフトな苦味
香味レーダー|有頂天エイリアンズ 香り 苦味 コク ジューシー キレ
有頂天エイリアンズのコンセプト解説
「搾りたてのフレッシュジュース感」と「未知との遭遇のワクワク」を表現
有頂天エイリアンズのペアリング提案
提案ペアリングは「たこやき」&「クラッツ ペッパーベーコン味」とか。手軽で親しみやすい

クラフトザウルス|Black IPA

クラフトザウルスBlack IPAの缶とグラス
ロースト感×ホップ感。黒の見た目でIPAの爽快さを目指す
クラフトザウルスBlack IPAの特徴解説
殻を外したロースト麦芽で麦芽香は抑え、ホップの個性を前に
ブラックIPAとバニラアイスの提案
てつこおすすめの“黒×バニラ”デザートと好相性
3種の色合い比較
色合いと泡の表情を見比べるのも楽しい
ハンドルキーパー情報
ノンアルの選択肢として信州・安曇野りんごジュースが用意されていました。
飲めない人も一緒に楽しめる配慮がうれしい。
信州・安曇野りんごジュースの缶を手に持つ
ハンドルキーパーの味方。りんごのコクにびっくり

パッケージの遊び心と小ネタ

よなよなエールの月デザインの想い
「日常の月」。毎晩気軽にエールを、というメッセージ
花札モチーフのパッケージ解説
花札「芒に月」モチーフ。ススキが麦穂に見える遊び心

さらに昔話。
初期の缶バーコードは「4747=よなよな」を仕込んでいたという逸話が残る。
今は仕様上できないが、ものづくりの遊び心は健在。

予約・持ち物・注意点

  • 予約:公式の最新スケジュールから事前予約を。
    人気枠は早めに埋まるので日程が決まったら即チェック
  • アクセス:自動車利用は駐車場・送迎の有無を確認。
    飲酒運転は厳禁。
    ハンドルキーパーを決めて楽しもう
  • 服装:工場見学は歩く。
    温度差もあるので軽い羽織りが安心
  • 撮影:スタッフ・他のお客さんへの配慮を忘れずに。
    指示があるエリアはルール順守
  • テイスティング:軽い順→強い順、和らぎ水でリセット。
    香りはグラスの縁をすべらせるように嗅ぐのがコツ
スタッフのミッションスライド
「人生に幸せを、ビールに味を」—情熱と遊び心の現場
フレッシュホップの毬花
原料の実物に触れられるのも現地ならでは。ホップのしくみが腑に落ちる
スタッフがテイスティングカップを配布
配布や回収の動線がスムーズで安心

モイの〆ツアー評

ビールは造り手の思想が一番出る飲み物。
ここでは設備・サービング・説明・デザイン、どれも一貫して「楽しく、分かりやすく、ちゃんと美味しい」に向いていた。
プロ視点でも安心して友人に勧められる。
初めてなら「軽い順+和らぎ水」で世界がクリアに広がるはず。
帰り道に「日常の月」を一缶、今夜の冷蔵庫に置いてみてほしい。

5種飲み比べの締め写真
あなたの推しはどれだった

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