ONSEN SOMMELIER × MOHILOG
つるり、さらり。
肌で楽しむ温泉。
湯船の中で肌に触れると、どこかやわらかい。
湯上がりは、すっきり軽やか。
炭酸水素塩泉は、そんな肌ざわりを楽しみたい旅に似合う泉質です。
(長野県松本市 白骨温泉 公共野天風呂)
30 SECOND GUIDE
炭酸水素塩泉を、30秒で。
「予約した宿が炭酸水素塩泉。どんなお湯?」
まずはここだけ読めば大丈夫です。
特にナトリウムを主成分とする炭酸水素塩泉では、
つるりとした肌ざわりを感じることがあります。
その印象から「美肌の湯」「美人の湯」と紹介される温泉もあります。
※肌ざわりや湯上がりの印象は、pH・成分構成・湯温・湯使い・個人差によって異なります。
なぜ“美肌の湯”と呼ばれることがある?
ここから少しずつ、温泉分析書の中まで覗いてみます。
ABOUT BICARBONATE SPRING
そもそも、炭酸水素塩泉とは?
炭酸水素塩泉は、
温泉水1kg中の溶存物質量が1,000mg以上あり、
陰イオンの主成分が炭酸水素イオンとなる温泉です。
名前は少し難しそうですが、
温泉分析書ではわりと出会う泉質。
そして入ってみると、
名前よりずっと親しみやすい湯だったりします。
ナトリウム-炭酸水素塩泉は、
以前「重曹泉」と呼ばれていました。
古い温泉案内で「重曹泉」と書かれていたら、
現在の炭酸水素塩泉を思い出してみてください。
READ THE ANALYSIS
温泉分析書では、ここを見る。
炭酸水素塩泉も、 陽イオン側の主成分によって名前が変わります。
ナトリウム-炭酸水素塩泉
カルシウム-炭酸水素塩泉
マグネシウム-炭酸水素塩泉
特にカルシウムを多く含むタイプでは、
浴槽や湯口に白っぽい温泉成分の析出物が見られることもあります。
温泉分析書だけでなく、
湯口や浴槽の縁を見るのも面白い。
温泉は数字だけでなく、
浴室そのものにも履歴が残っています。
FEEL THE ONSEN
なぜ「美肌の湯」と呼ばれる?
炭酸水素塩泉、とくにナトリウムを主体とする湯では、
つるりとした肌ざわりを感じることがあります。
その独特の入り心地から、
観光案内などでは「美肌の湯」「美人の湯」と
呼ばれることもあります。
肌で「あ、違う」と気づく湯。
ただし、
「入れば肌が美しくなる」という意味ではありません。
同じ炭酸水素塩泉でも、
pHやほかの成分、源泉の状態によって入り心地はかなり違います。
美容効果を探すより、
その瞬間の肌ざわりを楽しむ。
モヒログでは、そのくらいがちょうどいいと思っています。
OFFICIAL INDICATIONS
もう少し詳しく。泉質別適応症
ここからは少し専門的なお話です。
環境省が示している炭酸水素塩泉の
浴用の泉質別適応症には、次の項目があります。
「美肌の湯」という呼び方は、
肌ざわりなどから親しまれてきた表現です。
温泉へ入れば肌トラブルが治る、
美肌になるという意味ではありません。
モヒログでは、公的な適応症と旅先で感じる入り心地を分けて紹介します。
HOW TO ENJOY
炭酸水素塩泉、どう入る?
肌ざわりが気持ちいい湯ほど、
つい長く浸かりたくなります。
でも温泉は、
気持ちいいところで一度上がるくらいがちょうどいい。
まず水分補給。 朝風呂でも夕食前でも忘れずに。
手足から少しずつ。 身体を湯温に慣らします。
まずは3〜10分程度から。 のぼせる前に一度休みます。
入浴後につっぱりや刺激を感じたら、 無理に何度も入らず肌を休ませましょう。
GOOD MATCH
こんな温泉旅に、似合います。
景色だけでなく、 肌で泉質の違いを感じてみたい日に。
静かな浴室で、 湯の感触を確かめながらゆっくりと。
前の湯との肌ざわりの違いを比べるのも、 湯めぐりの楽しみです。
湯上がりの感触まで話題になる、 ちょっと楽しい泉質です。
ONSEN DESTINATIONS
炭酸水素塩泉に出会える温泉地
炭酸水素塩泉は全国各地にあります。
泉質を目的に旅先を探すのも、温泉旅の楽しみ方のひとつです。
熊野の自然に包まれた温泉地。
日本温泉協会でも炭酸水素塩泉の例として紹介されています。
山深い信州の名湯。
炭酸水素塩泉を楽しめる温泉地のひとつです。
宮城県の鳴子温泉郷には、
日本の新泉質分類10種類のうち7種類が湧出。
炭酸水素塩泉もそのひとつです。
一つの温泉地で泉質の違いを比べたい人には、
かなり楽しい場所です。
Q & A
もうちょっとだけ、炭酸水素塩泉。
「重曹泉」とは違うの?
昔の泉質名でいう「重曹泉」は、
現在のナトリウム-炭酸水素塩泉にあたります。
古い温泉案内や地元の呼び名として残っていることがあります。
入ると本当に美肌になる?
「美肌の湯」は、つるりとした肌ざわりなどから使われることのある愛称です。
美容効果を保証する言葉ではありません。
その湯ならではの肌ざわりを楽しんでみてください。
炭酸泉とは同じもの?
別の泉質です。
炭酸水素塩泉は炭酸水素イオンが主成分となる泉質。
二酸化炭素泉は、温泉水1kg中に遊離二酸化炭素を1,000mg以上含む泉質です。
飲める温泉なら飲んでもいい?
温泉は、飲用許可された施設で、
現地の飲用方法や量を守ることが前提です。
浴槽のお湯を自己判断で飲むのはやめましょう。
MOI’S NOTE
温泉ソムリエ モイのひとこと
炭酸水素塩泉って、
名前だけ見ると少し化学の授業っぽいんですよね。
炭酸、水素、塩。
黒板が見えてきそうです。
でも、湯船へ入ると
理屈より先に肌が気づく。
「あれ? この湯、なんか違う」
腕を撫でてみたり、
湯の中で指先を動かしてみたり。
温泉を“見る”だけではなく、
触って楽しむ。
炭酸水素塩泉には、
そんな面白さがあります。
美肌になるかどうかはさておき、
湯上がりにユンと
「このお湯、つるっとしてたね」なんて話せたら、
それだけでもいい温泉旅です。
本記事は温泉を楽しむための旅行者向けガイドであり、 医療・美容上の効果を保証するものではありません。

