【塩化物泉】湯上がりまで、ぬくもりを。

ONSEN SOMMELIER × MOHILOG

02 CHLORIDE

湯上がりまで、
ぬくもりを。

寒い日の温泉旅で、ちょっとうれしい塩化物泉。
しっとりとした肌ざわりと、湯上がりの余韻を楽しみたい日に似合う泉質です。

30 SECOND GUIDE

塩化物泉を、30秒で。

「予約した宿、塩化物泉らしいけど、どんな温泉?」
まずはここだけ読めば大丈夫です。

SKIN 肌ざわり しっとり寄り
AFTER BATH 湯上がり ぬくもりを感じやすい
AROMA 香り 比較的おだやか
GOOD SEASON こんな旅に 冬旅・露天風呂

塩分を含む温泉で、ほんのり塩気を感じる湯もあります。
湯上がりまで身体に温泉の余韻が残るように感じることもあり、 冷たい風の中で入る露天風呂とは、なかなかの好相性。

※肌ざわりや温まり方は、成分濃度・湯温・湯使い・個人の感じ方によって異なります。

もっと知りたい方へ

ここから先は、少しずつ温泉ソムリエの世界へ。
塩化物泉の成分や入り方まで、やさしく掘り下げます。

↓

ABOUT CHLORIDE SPRING

そもそも、塩化物泉とは?

塩化物泉は、温泉水1kgの中に含まれる溶存物質が 1,000mg以上あり、 陰イオンの主成分が塩化物イオンとなる温泉です。

日本では比較的よく出会う泉質ですが、 ひとことで塩化物泉といっても、その表情はさまざま。

しっかり塩気を感じる湯もあれば、 言われなければ塩化物泉と気づかないほど穏やかな湯もあります。

POINT 「塩化物泉=海の近く」とは限りません。

海沿いだけでなく、内陸にも塩化物泉はあります。
地下深くに残された古い海水や、地質との関係から生まれる温泉もあります。

READ THE ANALYSIS

「ナトリウム-塩化物泉」って何?

温泉分析書でよく見るのが、 ナトリウム-塩化物泉という名前。

これは、陰イオンでは塩化物イオン、 陽イオンではナトリウムイオンが主成分という意味です。

Na ナトリウム

ナトリウム-塩化物泉

Ca カルシウム

カルシウム-塩化物泉

Mg マグネシウム

マグネシウム-塩化物泉

温泉分析書を見つけたら、 「塩化物泉」の前に書かれている名前にも注目してみてください。

同じ塩化物泉なのに、入ってみるとずいぶん違う。
その理由を探すのも、温泉旅の小さな楽しみです。

A LITTLE DEEPER

なぜ、湯上がりにぬくもりを感じる?

塩化物泉は、昔から「熱の湯」と呼ばれることがあります。

湯から上がったあとも、 身体に温泉の余韻が残っているように感じやすい。

特に冷たい風が吹く季節、 露天風呂から上がったときのあの感じは、 塩化物泉の魅力を実感しやすい瞬間です。

湯船を出てからも、温泉はつづく。

もちろん、感じ方は泉質名だけでは決まりません。
成分の濃さ、湯温、入浴時間、湯使い、 そしてその日の体調でも変わります。

同じ塩化物泉でも、 「ふんわり温かい湯」と「かなり力強い湯」がある。
そこが面白いところです。

OFFICIAL INDICATIONS

もう少し詳しく。泉質別適応症

温泉施設の成分表などで見かける「適応症」。

環境省が示す塩化物泉の浴用における 泉質別適応症には、次の項目があります。

きりきず 末梢循環障害 冷え性 うつ状態 皮膚乾燥症
ここは少しだけ大切なお話。

「適応症」と書かれていても、 入れば病気や症状が治るという意味ではありません。

モヒログでは、温泉を医療の代わりとして紹介するのではなく、 公的に示されている情報として掲載しています。

HOW TO ENJOY

塩化物泉、どう入る?

特別に難しい入り方はありません。

むしろ大切なのは、 「せっかくだから」と頑張りすぎないこと。

温泉旅では、つい欲張りになりますからね。

01 入る前に水分を

まずはひと口、できればコップ一杯ほど。 冬でも入浴中は意外と汗をかきます。

02 かけ湯から

手足からかけ湯をして、 身体を湯温に慣らしてから湯船へ。

03 最初は短めに

環境省の入浴上の注意では、 最初は3〜10分程度が目安とされています。

04 湯上がりは休憩

水分を補給して、少しのんびり。 温泉から上がった直後まで予定を詰め込まないのも贅沢です。

※飲酒後の入浴は避け、体調がすぐれないときは無理をしないようにしましょう。 高温浴には特に注意が必要です。

GOOD MATCH

こんな温泉旅に、似合います。

01 冬の温泉旅

冷たい空気と温かな湯。 塩化物泉らしさを楽しみやすい季節です。

02 露天風呂

外気に触れながら入る湯は格別。 湯上がりの余韻まで楽しみたくなります。

03 海辺の温泉街

海を眺め、街を歩き、最後に温泉へ。 そんな旅との相性も抜群です。

04 ゆっくり過ごす宿

お風呂のあと急がず部屋へ。 浴衣で過ごす時間まで含めて楽しみたい泉質です。

ONSEN DESTINATIONS

塩化物泉に出会える温泉地

塩化物泉は全国各地にあります。
ここでは、旅先としても知られる温泉地を少しだけ。

SHIZUOKA 熱海温泉

海と坂の温泉街。
塩化物泉が主要な泉質のひとつで、 モイも何度となく楽しんできた湯です。

ISHIKAWA 片山津温泉

柴山潟のほとりに広がる温泉地。
塩分を含む湯でも知られています。

※同じ温泉地でも、源泉や施設によって泉質が異なる場合があります。 宿泊先の温泉分析書もぜひ確認してみてください。

Q & A

もうちょっとだけ、塩化物泉。

塩化物泉は、必ずしょっぱい?

塩味を感じる湯もありますが、 すべての塩化物泉が海水のように塩辛いわけではありません。
成分濃度によって印象はかなり変わります。

海の近くに多い泉質?

海沿いで出会うことも多いですが、内陸にもあります。
地下に残された古い海水や、その土地の地質などが関係する場合があります。

「強塩泉」って何?

ナトリウムイオンと塩化物イオンを特に多く含む塩化物泉では、 「ナトリウム-塩化物強塩泉」と表示されることがあります。
同じ塩化物泉でも、ぐっと存在感のある湯に出会えます。

温泉分析書はどこを見ればいい?

まずは「泉質名」を探してみてください。
その次にpH、源泉温度、溶存物質量を見るだけでも、 その湯の個性が少しずつ見えてきます。

MOI’S NOTE

温泉ソムリエ モイのひとこと

僕が塩化物泉と聞いて、 まず頭に浮かぶのは熱海です。

坂道を歩いて、海を眺めて、 夕方になったら宿へ戻る。

そして温泉へ。

あぁ……今日はもう、ここでいい。

湯から上がって浴衣を着ても、 まだ身体の中に温泉が残っているような感じ。

昔の記事では、 それを「これはもう、こたつだ……」と書きました。

我ながら少々雑な表現ですが、 今でも言いたいことは変わりません。

塩化物泉は、湯船を出たあとまで楽しみたい湯。

冬の熱海なんて、いいですよ。

泉質分類・泉質別適応症・入浴上の注意は、 環境省「鉱泉分析法指針」等を参考にしています。
本記事は温泉を楽しむための旅行者向けガイドであり、 医療的な効果を保証するものではありません。

この旅の流れ