【二酸化炭素泉(炭酸泉)】肌に、そっと泡。ぬる湯の愉しみ。

ONSEN SOMMELIER × MOHILOG

05 CARBON DIOXIDE

肌に、そっと泡。
ぬる湯の愉しみ。

湯船に浸かってしばらくすると、肌に小さな泡が。
派手にシュワシュワするとは限らないけれど、 見つけるとちょっとうれしい。
二酸化炭素泉は、そんな温泉です。

30 SECOND GUIDE

二酸化炭素泉を、30秒で。

「泊まる宿が二酸化炭素泉。どんなお湯?」
まずはここだけ読めば大丈夫です。

SKIN 肌ざわり 細かな泡が付くことも
TEMPERATURE 湯温 ぬるめで出会うことも
AROMA 香り 比較的おだやか
GOOD SCENE こんな旅に ゆっくり湯を味わう日

二酸化炭素を多く含む、全国的には比較的珍しい泉質。
湯の状態によっては、肌に細かな泡が付着する様子を楽しめます。

※泡の付き方は二酸化炭素濃度・湯温・加温・湯使いなどによって大きく異なります。

もっと知りたい方へ

なぜ泡が付く? なぜぬる湯が多い?
ここから少しずつ、二酸化炭素泉の中身へ。

↓

ABOUT CARBON DIOXIDE SPRING

そもそも、二酸化炭素泉とは?

二酸化炭素泉とは、 温泉水1kg中に遊離二酸化炭素を1,000mg以上含む療養泉です。

昔は「単純炭酸泉」と呼ばれていました。
「泡の湯」と呼ばれることもあります。

日本では比較的少ない泉質なので、 天然の二酸化炭素泉に出会えたら、 ちょっと得した気分になっていいと思います。

POINT 「炭酸泉」=いつでもシュワシュワ、ではありません。

入浴すると肌に泡が付くことがありますが、 炭酸飲料のように常に激しく発泡しているわけではありません。

濃度や湯温、湯の動きによって、 泡の見え方はかなり変わります。

WHY LUKEWARM?

なぜ、ぬる湯で出会うことが多い?

二酸化炭素は、 温度が上がるほど水から抜けやすくなります。

そのため天然の二酸化炭素泉では、 比較的ぬるめの源泉に出会うことがあります。

実際、日本温泉協会も 加温すると炭酸ガスが揮散する場合があると説明しています。

CO₂
熱くすればいい、ではない。

この泉質では、 ぬるさそのものが湯の個性を守っていることもあります。

普段は熱めの湯が好きな人でも、 二酸化炭素泉に出会った日は、 ちょっとだけ湯に合わせてみる。

そんな入り方も面白いものです。

FEEL THE ONSEN

肌に泡が付く、その小さな楽しさ。

湯へ入ってすぐではなく、 しばらくじっとしていると。

腕や脚に、 小さな泡がぽつぽつと現れることがあります。

あ。付いてる。

大げさなことではないんです。

でも温泉旅って、 こういう小さな発見が妙に楽しい。

指でそっと泡を払って、 またしばらくすると戻ってくる。

二酸化炭素泉は、湯船の中で少し遊べる泉質。

OFFICIAL INDICATIONS

もう少し詳しく。泉質別適応症

ここからは少し専門的なお話です。

環境省の基準で示される、 二酸化炭素泉の浴用の泉質別適応症には、 次の項目があります。

きりきず 末梢循環障害 冷え性 自律神経不安定症
旧記事の「血圧が下がる!」は、ここで卒業。

二酸化炭素には末梢血管へ作用することが知られていますが、 温泉へ入れば高血圧が治る、 動脈硬化を予防できると断定するものではありません。

モヒログでは、 公的な泉質別適応症と医学的な治療効果を分けて紹介します。

HOW TO ENJOY

二酸化炭素泉、どう入る?

ぬるいからといって、 「ずっと入っていられる」と油断は禁物。

泉質に関係なく、 その日の体調を優先するのが基本です。

01 まず水分を

入浴前に水分補給。 ぬる湯でも忘れずに。

02 かけ湯から

手足から少しずつ。 身体を湯温へ慣らします。

03 泡を待ってみる

湯の中で少し静かに。 肌に細かな泡が付くか観察してみましょう。

04 長湯を競わない

ぬる湯でも無理はしない。 気分が悪くなる前に休憩を。

GOOD MATCH

こんな温泉旅に、似合います。

01 ぬる湯好き

熱さより、 湯そのものをゆっくり味わいたい人へ。

02 温泉観察

肌に付く小さな泡まで、 泉質の個性として楽しみたい日に。

03 静かな共同浴場

派手な設備より、 源泉との距離が近い湯を楽しみたい旅へ。

04 温泉目的の旅

比較的珍しい泉質そのものを、 旅の目的にしてみるのも面白い。

ONSEN DESTINATIONS

二酸化炭素泉に出会える温泉地

OITA 長湯温泉

大分県竹田市を代表する炭酸泉の温泉地。
ラムネ温泉館など、 炭酸の個性を楽しめる施設があります。

OITA 七里田温泉・下湯

36℃ほどの高濃度炭酸泉。
湯に浸かると身体に大きな泡が付くことで知られる、 炭酸泉好きには気になる一湯です。

※同じ温泉地でも、源泉や施設によって泉質・二酸化炭素濃度・湯使いは異なります。

Q & A

もうちょっとだけ、二酸化炭素泉。

肌に泡が付かなければ、二酸化炭素泉じゃない?

いいえ。
泡の見え方は二酸化炭素濃度、湯温、加温、湯の動きなどに左右されます。
泉質は温泉分析書で確認しましょう。

炭酸水素塩泉とは同じ?

別の泉質です。
二酸化炭素泉は、遊離二酸化炭素を1kg中1,000mg以上含む泉質。
炭酸水素塩泉は、炭酸水素イオンを主成分とする泉質です。

人工炭酸泉も同じもの?

人工的に二酸化炭素を溶け込ませた浴槽もありますが、 天然の療養泉として分類される「二酸化炭素泉」とは成り立ちが異なります。

熱い炭酸泉はないの?

あります。
ただし二酸化炭素は温度が高くなるほど水から抜けやすいため、 高温で高濃度の天然二酸化炭素泉は珍しいとされています。

MOI’S NOTE

温泉ソムリエ モイのひとこと

二酸化炭素泉って、 温泉を知らなかった頃の僕なら、 たぶんこう想像します。

温かいサイダーに入るの?

もちろん、そんなわけはない。

実際はもっと静かです。

湯に浸かって、 しばらく腕を動かさずにいる。

すると小さな泡がひとつ。
またひとつ。

おお……育ってる。

これが妙に楽しい。

派手なアトラクションじゃないんです。
ただ湯船で自分の腕を眺めているだけ。

それなのに、 温泉そのものと遊んでいる感じがする。

二酸化炭素泉は、 大人をちょっと童心に戻してくれる湯なのかもしれません。

泉質分類・泉質別適応症・入浴上の注意は、 環境省および日本温泉協会の資料を参考にしています。
本記事は温泉を楽しむための旅行者向けガイドであり、 医療上の効果を保証するものではありません。
この旅の流れ