千曲川の湯町・戸倉上山田温泉で、静かに息づく宿「ホテル晴山」

一九五六年創業/自家源泉を
“飲める”ほど新鮮なまま届けてくれる
というおもてなしが、建物の隅々にまで行き渡っています。
今回は、個室に半露天の温泉風呂を備えた新客室「城山」に滞在。
写真で、外観から客室ディテール、肝の半露天までを丁寧に案内します。
施設名:ホテル晴山(長野県千曲市上山田温泉2-29-9)
アクセス:しなの鉄道「戸倉」駅からタクシー約7分/上信越道「坂城IC」から約15分
温泉:裏手の城山から湧出する「城山2号源泉」を引湯
入浴時間(大浴場):15:00〜翌9:30(清掃時間を除く)
泉質表記:単純硫黄温泉・硫黄泉・単純硫化水素泉/pH8.4(弱アルカリ性)/源泉58.6℃
特徴:上山田温泉地区で唯一の「飲泉許可」を取得。ロビーに“飲める温泉”サービスを用意。
清々しい木目に迎えられる、落ち着きのエントランス
戸倉上山田の奥に佇む静かな宿。フロントでは茶香炉の香りがふわりと漂い、旅の肩の力が抜けていく。


ロビーでまず……温泉一杯♪

フロントのスタッフおすすめで、チェックイン後にまず一杯。
飲泉許可の出た源泉を“ようこそ”の合図に、身体の奥から旅モードへ切り替わる。
ここでテイスティングを……。
淡やかな硫黄香、口当たりは絹。
ごく微かな甘みとだし様の旨みが広がる。
後口は澄み切り、余韻は静かに長い。温度は穏やか、角のないミネラル感が調和。
一口で体の芯がほどけ、心地よい温かさが内側に滲む……。
つい、おかわり。


新客室「城山」和モダンにアレンジ
2024年8月導入の和洋室は、木の感触とベッドの眠りやすさを両立。室内に“温泉を引き込んだ”半露天風呂がこの部屋の主役です。
硫黄といっても、草津や万座のような強い酸性ではなく、弱アルカリのやさしい湯。
渋峠から下って来れる場所柄、酸性湯の“治し湯”候補にも向く肌感です。














眠りの装備も快適〜現代の旅人に寄り添う




身支度の気持ちよさは、滞在をアップグレードする







部屋の温泉半露天風呂へ
扉を開ければ、檜の香りとともに湯の音が近づく。湯口から落ちるほのかな白い湯の花は、城山の懐で生まれた湯が息づいている証。
窓の向こうには客室名の由来でもある城山の緑。陽射しが気になるときはブラインドを下ろして、音だけを残す。
湯面の波紋がほどけていくのを眺めていると、時間がゆっくり回り出す。









泉質メモ:硫黄のやさしさ、弱アルカリのなめらかさ
晴山の湯は、表示上は「単純硫黄温泉・硫黄泉・単純硫化水素泉」。
硫黄泉らしいたまご香と、弱アルカリのやわらかい肌触りが同居します。
「単純硫黄温泉」は成分量が比較的穏やかな部類で、カテゴリーとしては単純泉の仲間。
日によって透明〜薄い白に移ろうのも硫黄泉の愉しみ。
浴後の肌のつるり感と、ほどよい脱力を実感しやすいタイプです。
飲泉について
公式表記では飲用の適応症に「耐糖能異常」「高コレステロール血症」、禁忌症は「なし」。
とはいえ飲泉は場所と量を守って。一回100〜150mL、1日200〜500mL程度が一般的な目安
服薬中や持病のある方は、必ず事前に専門家へご相談を。
実用メモ:館外でも“同じ源泉”を飲める/駐車場情報
館外の飲泉所「恵の泉・湯のみ処」では、城山二号源泉を無料で味わえます(千曲市上山田温泉2-28-8)
滞在の合間にどうぞ。
駐車場はホテル前に加え、満車時は裏手の提携駐車場へ。いずれも無料・先着順。
公式HP:ホテル晴山(公式サイト)
電話:026-275-1201
お問い合わせ:公式フォーム
代表メール(公開情報より):hotel-seizan@dreamhotel.co.jp
住所:長野県千曲市上山田温泉2-29-9
湯が、部屋が旅をアップデートする
部屋付きの半露天で、いつでも
“気が向いたらすぐチャプン”
優雅な間接照明の下、檜の香りと城山の気配に包まれると、呼吸が自然と深くなる。
暗すぎることはないので安心を。
ベッドまわりのコンセントとUSBが十分で、デバイス持ちにも心強い。
SALONIAのドライヤーも常備。
価格の手の届きやすさと、過ごす時間の優雅さが両立した稀有な一室。
何より湯がすこぶる良い。味は“薄い卵だし”のようにまろやかで、体の内側からほどけていく。
「今日はどこにも行かない」
そんな贅沢を選びたくなる客室でした。
(朝ジョグしたけど)
次回は美味しいお食事、そして特別許可で撮影した大浴場編。
朝ランで巡る温泉街のルートも続編で。



