極上のおもてなし『日本の宿 古窯』2泊目③|天保そばを目指して往復30km。旅は予定通りにいかない

前回は、古窯の朝ビュッフェで山形の朝ごはんをたっぷり味わいました。
食後のコーヒーカップに紅花を見つけて。
朝食を食べただけなのに、随分と山形を旅した気分です。
さて。
そろそろ出かけましょうか。

▶ 前回のお話|古窯2泊目②「朝食ビュッフェで見つけた、古窯の山形愛」

目次

朝食のあと。女将さんと、もうひとつの古窯の時間

日本の宿 古窯で朝食後に女将と記念撮影
朝食を終えて館内を歩いていると、女将さんのお姿が。

少しだけ、お話をさせていただきました。

この日は、長年古窯のフラワーアレンジを手掛けてこられた方が、ちょうど訪ねていらしたそうです。
女将さんの表情がとても嬉しそうで、素敵な笑顔でした。

旅館って、建物や温泉、料理だけでできているわけではないんですよね。
長く宿を支えてきた人や、働く人。
また訪ねてくる人。

そんな人と人との積み重ねがあって、今の古窯があるのだと思います。

僕ら旅人は、その時間のほんの一部分を体験させてもらっているだけなのかもしれません。

お忙しい朝に、貴重なお時間をありがとうございました。
日本の宿 古窯向かいにある山形プリン本店の外観
次は古窯の向かいにある『山形プリン』へ。

山形プリンは古窯グループが手掛ける、山形県初のプリン専門店。
山形県産の素材を生かしながら、この土地の魅力をスイーツで発信しています。

『山形生プリン』

公式サイトによれば、賞味期限はわずか10分。
1日20食限定という、店内でしか味わえないプリンです。

ただし。

ついさっき、古窯の朝食ビュッフェを食べたばかりです。

『お腹いっぱいだね……』

でも、聞いてみると2人でひとつでも大丈夫とのこと。

胃袋のどこかに、小さな隙間を作りましょう。

山形プリンの山形生プリンと卵黄とカラメルソース
白いプリンに、卵黄。
小さな器にはカラメルソース。
そしてスプーンが2本。
こういう小さな心配りが嬉しいですね。
『2人でひとつ』を受け取ってくれた、そのひと手間に感謝です。

山形生プリンに濃厚な卵黄を落とす瞬間
割れた卵の器から……。

濃ゆい卵黄を、ポトリ。

『おお……素敵だ』

白いプリンの真ん中に、艶々とした橙色。
この時点では、まだプリンが完成していないようにも見えます。
山形生プリンの卵黄へ木のスプーンを入れる瞬間
では……スプーンを。
ムニッ……。

思っていた以上に、卵黄に弾力があります。

山形生プリンの濃厚な卵黄がとろりと広がる様子
トロォ……。

白い部分は、やさしいミルク感のあるなめらかなプリン。
そこへ濃厚な卵黄のコクが加わることで、味わいがぐっと厚くなります。

さらに。

山形生プリンにカラメルソースを絡めていただく様子
カラメルを絡めると、ミルクプリンの穏やかな甘さ。
卵黄のまったりとしたコク。
そこへカラメルの甘さとほろ苦さ。

それぞれ単体で食べるよりも、三つが重なった瞬間にようやく『プリン』になるような、不思議な組み立てです。

自分のスプーンで完成させる、生まれたてのプリン。

賞味期限10分という言葉も、単なる演出ではなく、この卵黄とミルクプリンを一番いい状態で味わってほしいということなのでしょう。

参考:山形プリン公式サイト
参考:古窯グループ公式サイト

天保そばを目指して15km。ところが……

さて、自転車で出発です。

今日のお昼に狙っていたのは、山形市にある老舗『そば処 庄司屋』の天保そば。

天保そばとは、福島県の古民家から発見された、天保の大飢饉の時代に保存されたそばの実をルーツに持つという、なんともロマンのある蕎麦。
一度は発芽しなかった古い種を、山形の蕎麦に携わる人たちが蘇らせ、今へつないできたものだそうです。

これは食べてみたい。

古窯から庄司屋本店までは、だいたい15km。

途中、コストコやさくらんぼ農園を横目に走ります。
行きは気持ちの良い下り基調ですが日差しは強烈。
でも風を受けながら走る自転車は気持ちいい。

『帰りは登るんだよなぁ……』

まあ、それは仕方ないか

そして15kmほど走り、到着♪

山形市の老舗そば処庄司屋本店に自転車で到着したところ
『まだ開店前だね』

…………。

ん?

え??

看板を見る。

『本日休業』

……………。

ああ…………。

定休日だ。。

15km走って、見事に閉まっています。
庄司屋本店は慶応年間創業という、山形では最も歴史のある蕎麦店。
この日は月曜日。しっかり定休日でした。
調べると、御殿堰七日町店は営業中でさらに2kmほど。

『お腹空いた?』

『まだ大丈夫』

……僕も、まだそんなに空いてない。

朝食をしっかり食べて、生プリンまで入れていますからね。

『宿へ戻って自転車置いて、かみのやま温泉駅前にワイン飲みに行く?』

『それがいいね』

天保そばは、また来年〜。

こういうのも旅です。

でも…行きが気持ちの良い下りだったということは。

帰りは当然……長い登り

参考:そば処 庄司屋公式サイト

そうだ、かみのやま温泉駅前でワインを飲もう

最後の古窯の急坂を登りきり、自転車を車内へ。

ここからはリカバリーウォークです。

古窯からかみのやま温泉駅前まで2kmちょっと。

『歩くくらいならちょうどいいよね』
……と思っていました。
かみのやま温泉駅前の山形ワインカーヴ外観
到着…暑い……。
『なかなか距離あったな。。。』
自転車で山形市まで往復したあとだと、2kmの徒歩が妙に長いです。

ここが『山形ワインカーヴ』

JRかみのやま温泉駅前にある、かみのやま温泉観光案内所の中に併設されています。
市内や周辺で造られるワインを飲んだり、買ったりできる場所です。

山形ワインカーヴの屋外テラスとワインボトルのディスプレイ
外にはテーブルも。
気候の良い日は、ここでワインを楽しむのも気持ちよさそうですね。

今日は……。
迷わず中へ。

かみのやま温泉観光案内所内の山形ワインカーヴのバル入口
山形ワインカーヴで選んだ3種ワイン試飲の案内カード
この日は、3種類を選べる試飲セットをお願いしました。
訪問時は1,100円。

気軽にかみのやまのワインを試せるのが嬉しいですね。

まず気になったのがこちら。

Voyage de YUUAI

ワインクーラーに入っていた、ロゼの微発泡。
行ってみましょう。

山形ワインカーヴで楽しむ3種類のワインテイスティング
3つ並ぶと、なんだか楽しくなりますね。

その中からまずは
Voyage de YUUAI PETNAT ROSE

Voyage de YUUAIは、上山市で農業と福祉を結ぶ『農福連携』から生まれたワイナリー。
公式のテイスティングコメントによれば、PETNAT ROSEはマスカット・ベーリーAの華やかな香りを生かした軽やかな微発泡。
実際、口当たりは柔らかく果実をふわっと持ち上げてくれるような軽やかさです。

炎天下を歩いてきた身体には、この優しい泡がちょうどいい。

『あぁ……生き返る』

そのおかげで上山のワインに出会えたのだから、まあいいでしょう。

旅って、予定を外した先に違う楽しみが転がっていたりします。

あ、スマホの充電がほぼ無い……。

参考:山形県公式観光サイト|かみのやま温泉観光案内所・山形ワインカーヴ
参考:Voyage de YUUAI公式サイト

ワインを楽しんだあとは、駅前でもう一軒。

かみのやま温泉駅前のOra da cacao&chou店舗外観
『Ora da cacao&chou(オラダ・カカオ&シュー)』へ。

かみのやま温泉駅からすぐのシュークリーム店です。
看板商品の『かみのやまシュー』には、山形県産米『つや姫』の米粉が使われ、注文を受けてからクリームを詰めるというこだわり。

この日はシュークリームを買って、古窯へ持ち帰ることにしました。

で……ワインを飲んで火照った身体で古窯まで登りです。。

参考:Ora da cacao&chou公式サイト

古窯へ帰還。もう、温泉しか考えられません

ようやく古窯へ戻ってきました。

部屋へ入ったら、荷物を置いて温泉です。

日本の宿 古窯の客室温泉でサイクリングと街歩きの疲れを癒す午後
ざぶん。

『ぷはぁぁぁ。。』

ヤバい。

疲れた。。。

山形のクラフトビールを空けて休みます。

古窯の温泉……
ふくらはぎも、ハムストリングも、臀筋も心地よい。。

古窯2泊目の午後。
湯の音を聞きながら、しばらく何もせず……。

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