極上のおもてなし『日本の宿 古窯』2泊目①朝4時、温泉と早朝ライドではじまる山形の朝

昨夜は、静かな個室で山形の料理と朝日鷹を愉しみました。

温泉に浸かって、部屋へ戻って、あとは眠るだけ。

そんな古窯の夜から数時間後……。

まだ館内も、町も、ほとんど眠っている時間にアラームが鳴ります。

朝4時過ぎ。

僕の古窯2日目が始まりました。

▶ 前回のお話|古窯宿泊記④「山形の日本酒といえば…?個室で静かに愉しむ夕食」

目次

朝4時。静かな古窯で迎える、贅沢な朝

日本の宿 古窯の客室から朝日に染まる蔵王連峰を望む早朝の景色
ポットでお湯を沸かしながら、窓の外を見る。

山の向こうから、ゆっくりと朝日が昇ってきました。

昨夜スタッフの方に聞いたところ、窓の向こうに連なる山々は蔵王連峰なのだそう。

昨日、自分たちがあの辺りを歩き、温泉に浸かっていたんだなぁ……。

旅先で昨日の景色を、翌朝また違う角度から眺める。

なんだか昨日と今日が、一本の線でつながったような気がします。

まだ朝4時台。

外は静かです。
ユンも、まだ夢の中。

ならば……。

日本の宿 古窯の温泉付き客室で朝4時台に楽しむ源泉の朝風呂
起き抜けの身体を洗い、滾々と湧く温泉へ。

ゆっくり身体を沈めます。

『あぁ…………』

朝起きて、数歩先に温泉がある。

そして、誰にも気を使わず、そのまま湯に浸かれる。

起き抜けの身体を、滾々と湧く温泉に沈められる幸せたるもの……。

素晴らしき贅沢。

温泉宿に泊まった朝って、どうしてこんなに気持ちがいいのでしょう。

夜の温泉とはまた違うんですよね。

一晩眠った身体へ、静かにスイッチを入れてくれるような朝の湯。

日本の宿 古窯の客室リビングでいただく古窯オリジナルブレンドコーヒー
湯上がりはリビングへ。

古窯オリジナルブレンドのコーヒーを淹れます。

朝日を眺めて。
温泉に入って。
コーヒーを飲む。

これだけなら、ずいぶん優雅な旅の朝なのですが……。

僕が旅先で朝4時に起きる理由。

実は、もうひとつあります。

なぜ旅の朝に早起きするのかって? はい、早朝ライドです

かみのやま温泉の花咲山コース入口で早朝ライド中の自転車
なぜ、旅の朝に早起きするのかって?

はい。

早朝ライドです。

朝食までには、まだ時間があります。

古窯の裏山にある『花咲山展望台』まで、自転車で登ってみようと思っていました。

温泉に入ってコーヒーまで飲んでおいて、今度はわざわざ汗をかきに行く。

我ながら忙しい身体です。

日本の宿 古窯から花咲山展望台までの早朝サイクリングルート地図
古窯から花咲山展望台までは、そのまま向かえば約1km。
標高差は90mほどです。

距離だけ見れば大したことはありません。

ただし地図を見ると……。

クネクネ。

しっかり登りますね。

そして早朝の山。

熊鈴をサドルへ取り付けて。

さて、行ってみましょう。

花咲山展望台へ続く早朝の木漏れ日が差す無人の林道
しかし。

いざ林道へ入ってみると……。

やっぱり無人の山道って、少し怖い。

人はいない。
木々は深い。
聞こえるのは鳥の声と、タイヤが路面を転がる音だけ。

そこで僕が選んだ対策がこちら。

スマホから

The Starlite Orchestra & Singers『反逆のテーマ』

最大音量。
そしてエンドレス再生。

静かな山の朝に、突然流れ始める壮大なテーマ曲。

熊鈴はリンリン。
スマホは勇ましい。

僕は自転車で、エッサエッサ。

……何の一団でしょう。

でも怖さは、だいぶ薄れました。

旅先では、ときどき音楽に助けられます。

花咲山展望台へ向かう途中で見つけた昔ながらの手押しハンドポンプ
そんな山道の途中。

妙なものを見つけました。

『なんだこれ……』

古いハンドポンプ。

せっかくなので、ギッコン、ギッコンと動かしてみます。

すると……。

『水が……出るぞ!』

初めてのハンドポンプ体験です。

何度か動かしながら、ふと気づきます。

『あれ……これ、あの時のと同じ原理か!』

思い出したのは、群馬・嬬恋高原ブルワリーで見たハンドポンプ。

あちらはビールを注ぐためのハンドポンプでしたが、なるほど。

こうして実際に水を汲み上げてみると、仕組みが急に身体でわかります。

旅先の小さな発見が、別の旅の記憶へつながる。

こういう瞬間、結構好きです。

▶ このとき思い出した記事|嬬恋高原ブルワリー「つまブル」のハンドポンプ

花咲山展望台の恋人の聖地モニュメントと早朝ライドの自転車
到着。

朝食前の、小さなヒルクライム完了です。

山の上まで自分の脚で上がってきて、朝の町を見下ろす。

距離は短くても、旅先で走る1kmって不思議と記憶に残ります。

そして当然ながら、一汗かきました。

……ということは。

古窯へ戻れば、温泉があります。

軽く町をゆったりポタポタと回り、宿へ戻って、そのまま温泉。

これまた、たまりません。

朝食へ向かうだけなのに、足が何度も止まる

早朝ライドから戻り、もう一度温泉へ。

ふくらはぎやハムストリング、臀筋に染み渡る良温泉をゆったり堪能。

汗を流して、ようやく朝食の時間です。

朝食はビュッフェ会場とのこと。

エレベーターへ向かうと……。

日本の宿 古窯の館内に飾られた山形花笠まつりを思わせる花笠
花笠。

山形ですねぇ。

昨日は食事や温泉ばかり見ていましたが、朝の館内をゆっくり歩いてみると、山形らしさがあちらこちらに潜んでいます。

日本の宿 古窯の館内に飾られた夏の俳句と英訳
その下には、一句。

『夏の雨 黄金律の 峰に降る』

綺麗な文字です。

そして上には英語も添えられています。

海外から訪れる人にも、この一瞬の季節まで伝えようとしているのでしょうか。

『黄金律』という言葉は、美しいバランスや調和を表す言葉。

夏の雨が山の峰へ降る姿に、自然がつくる整った美しさを重ねた一句なのかな……なんて。

朝食へ向かっているだけなのに、思わず足が止まります。

こういう押しつけがましくないおもてなし、いいですね。

日本の宿 古窯の館内にある畳と大きな石を配した静かな和の空間
途中のスペースにも、素敵な『間』があります。

何かをたくさん置くわけではなく。

畳の上に、大きな石がひとつ。

余白があるからこそ、そこに置かれたものへ自然と目が向く。

古窯って、こういう何気ない場所まで静かなんですよね。

日本の宿 古窯の館内に飾られた力強い春夏秋冬の書
そして壁には、ドンと『春・夏・秋・冬』

立派です。

一文字ずつ、大きな四枚の書。
近くで見ると筆の勢いまで伝わってきます。

温泉に入って。
ご飯を食べて。
部屋へ戻る。

それだけでも十分なのですが、少しゆっくり館内を歩いてみると、古窯には見るものがたくさんあります。

日本の宿 古窯の床に映し出された山形の花笠模様
あ。

ここにも!

床には、くるくると映し出される花笠。

上を見たり。
壁を見たり。
今度は足元を見たり。

朝食会場まで、なかなか辿り着きません。

日本の宿 古窯の館内絨毯に描かれた山形名産さくらんぼの模様
そして絨毯までよく見ると……。

『さくらんぼだ』

山形名産のさくらんぼが、ちゃんと足元にも隠れていました。

こういうところなんですよね、質の高いものなら良い。ではなく、地元への愛情がしっかりと感じられます。

古窯がそういう気遣いしてくださるのはとても嬉しい。
(ちょっと厚かましいですが…)

でも、こういうものって、急いで歩いていたらたぶん気づきません。

旅先だから少しゆっくり歩く。
だから普段なら見過ごすようなものが見えてくる。

昨日の夕食でも感じましたが、旅って、小さな発見の積み重ねなのかもしれません。

朝4時に起きて。
朝日に染まる蔵王を眺め。
温泉に浸かり。
コーヒーを飲んで。
自転車で山へ登り。
また温泉へ戻って。

まだ朝食すら食べていません。

古窯の朝、長いです。

そしてようやく。

朝食会場へ。

さて次は、古窯の朝ごはんをいただきます。

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