ようこそ、温泉マニアの入口へ♨️
全国津々浦々に湧くお湯には、ひとつひとつに個性=泉質がある。
香りが誘う夜もあれば、肌にすべらかな朝もある。
違いを知れば、同じ旅館でも体感が変わる。
だからこそ、泉質から選ぶ旅は面白いのだ。
温泉ソムリエ・モイが、日本の代表的な全9種類の泉質を、やさしい語り口で、でも要点はキリッと解説した記事をここに集約した。
入門の窓口としてブックマークしておくと便利だ。
気分や季節に合わせて、好みの湯へジャンプしよう。
\これが日本の温泉〈泉質9兄弟〉だ!/
- ① 単純温泉|全人類ウェルカムなベーシック。
刺激ひかえめで、まずはここからが王道だ。 - ② 塩化物泉|湯冷めしにくい保温バリア。
外湯めぐりや冬旅の強い味方だ。 - ③ 炭酸水素塩泉|つるすべ美肌タイプ。
上がり後は保湿ケアまでが作法だ。 - ④ 硫酸塩泉|さらりと上品、“傷の湯”の系譜。
湯あがりの落ち着きが魅力だ。 - ⑤ 含鉄泉|空気で赤く、芯からポカポカ。
タオルが染まりやすいので旅用がおすすめだ。 - ⑥ 硫黄泉|“あの香り”と白濁。
アクセサリーは外してから浸かろう。 - ⑦ 酸性泉|ピリッとシャープな浴感。
長湯しすぎず、こまめに休憩しよう。 - ⑧ 放射能泉(ラジウム泉)|“吸って浸かる”静かな回復系。
ぬる湯でゆっくり巡らせたい。 - ⑨ 二酸化炭素泉|全身しゅわしゅわ、血行後押し。
ぬるめで長めの入浴がコツだ。
はじめてさんの道しるべ
最初は単純温泉で“自分の基準”を作る。
次に、温まり重視なら塩化物泉、肌ざわり重視なら炭酸水素塩泉へ広げる。
香りやロケーションを楽しみたい日には硫黄泉や山の高所の湯を狙う。
体調に敏感な人や初心者は、個性の強い泉質では短時間入浴を心がけよう。
目的別ショートカット
- 冷え対策→ 塩化物泉/含鉄泉。
湯上がりの保温感がうれしい。 - 肌のなめらかさ→ 炭酸水素塩泉/単純温泉。
入浴後の保湿を忘れずに。 - “温泉っぽさ”重視→ 硫黄泉。
白濁と香りで気分が上がる。 - 独特の浴感→ 二酸化炭素泉。
細かな気泡に包まれる体験がたまらない。
モイの泉質ミニ辞典
単純温泉|成分量が比較的少なく、刺激はおだやか。
旅の一湯目や敏感肌の人にも選びやすい。
塩化物泉|塩分が肌に膜を作りやすく、熱が逃げにくい。
海辺の温泉地に多く、冬の味方だ。
炭酸水素塩泉|旧名重曹泉。
角質をふやかして落としやすく、つるり感が心地よい。
硫酸塩泉|さらりとして上がりが落ち着く。
“傷の湯”として知られる地もある。
含鉄泉|空気で酸化しやすく赤褐色に変わる。
タオルや水着の取り扱いに注意したい。
硫黄泉|硫化水素の香りが象徴的。
銀のアクセサリーは変色しやすいので外して入ろう。
酸性泉|pHが低くシャープな浴感。
かけ湯と上がり湯を丁寧に、長湯は控えめに。
放射能泉|微量のラドンを含む湯。
ぬるめでゆっくり滞在するスタイルが似合う。
二酸化炭素泉|CO₂が豊富で、肌に細かな泡がつく。
ぬる湯でじっくり入るのがコツだ。
旅がもっと楽しくなるTIPS
- 入浴前のかけ湯は、頭から足先まで丁寧に。
湯との呼吸が整って、ととのいやすくなる。 - 写真は脱衣所から撮影可否を確認しよう。
ルールを守る人のところに、良い湯は集まる。 - のぼせそうなら、潔く休む。
旅は“もう一回入りたい”気持ちを残すのが上手だ。
FAQ|よくある質問
泉質で“効能”は決まるの?
感じ方には個人差があるため断定はできない。
本シリーズは公的定義をもとに、体験の手がかりをわかりやすく整理している。
サウナや水風呂と合わせてもいい?
無理は禁物だ。
強い個性の泉質の後は休憩を長めに取り、のどが渇く前に水分補給を。
最後に
地図をひろげ、今日はどの湯の性格に会いに行こうと考えるだけで、移動時間までわくわくに変わる。
次の休日は、気分と体調に合う泉質から旅を組み立ててみてほしい。
きっと湯のほうから、やさしく寄ってくる。
※本シリーズは環境省などの公的定義を参考にしつつ、旅行者目線で読みやすく再構成している。
医療的効能を断定する表現は用いない。
入浴時は現地掲示と体調を最優先に。