少し横になって、ようやくパワーチャージ。
今夜は予約していた個室料亭で夕食です。
1日目とは別の会場を用意していただきました。
2泊それぞれ違う空間で食事を楽しめるよう気を配ってくださったこと、嬉しかったです。
会場へ向かう途中、大きな絵に足が止まります。
蔵王の御釜。
この大きさ。
なかなかの迫力です。
何気ない廊下の小さな飾り棚にも、ひとつの景色がつくられています。
こういうところを見つけるのが、僕は好きです。
黒い水鉢に、蘭の花をひとつ。
たった一輪なのに、空間の気品が変わります。
飾りすぎないところも古窯らしい。
『積善之家 必有餘慶』
「積善の家には、必ず余慶あり」
善い行いを積み重ねる家には、その福が後の世にも残っていくという言葉です。
古窯で見ると、なんだか妙にしっくりきます。
こちらは山形ことば。
『こわい』が「疲れた」だったり、眺めているだけでも面白い。
ぎんっあか、こわい……。
ぎんっあか、こわい……。
(急な坂、疲れた…) ……僕の山形語習得には、まだ少し時間がかかりそうです。
また、さくらんぼ。
こういう絵を館内にさりげなく飾ってくれるところも、僕が古窯を好きになった理由のひとつです。
どこかで必ず、山形につながるんですよね。
さてさて……到着です。
『おお……素敵な個室』
畳の上に端正な黒いテーブルと椅子。
障子の柔らかな線と、窓の向こうには小さな庭。
華美というより、静かに整った和の空間です。
今夜はここで、ゆっくりいただきます。
こちらが今夜のお品書き。
じゃらんでは2泊とも山形牛すき焼きプランで予約していたので、2泊目はどうなるのかなと思っていましたが……。
特選山形牛ステーキ。
おおっ。
これは嬉しい変更です。
※旅行から時間が経っており、料理写真の撮影順も一部前後しています。
お品書きを基準にできる限り提供順に並べていますが、料理名や順番が違っていたら申し訳ありません。
一皿ずつ考えて提供してくださっている料理人の皆さまに失礼がありましたらご容赦ください。
まずは飲み物を。
最初に目に入ったのは、山形の日本酒を楽しめる利き酒セット。
魅力的ですねぇ……。
ページをめくっても、山形のお酒がずらり。
今夜も朝日鷹かな。
……と思っていたのですが。
笑顔の素敵な接客係さんと話していると、生まれ育った地元ただ1つの酒蔵のお酒を薦めてくださいました。
小国桜川。
雄町と山田錦を使った純米大吟醸です。
ならば今夜はこちらにしましょう。
来ました♪
穏やかで上品な香り。
口に含むと旨味はふっくらしているのに、余韻はすっときれいです。
ああ……美味しい。
目を閉じれば。
静まり返った雪深い夜。
小さな駅と、街灯に照らされる粉雪……。
…………。
おっと。
つい小国の冬を想像してしまいました。
豪雪の土地で300年以上酒を造り続ける桜川酒造。
古窯に来なければ、僕はこの一本を選んでいなかったです。
接客係さんとの素敵な出会いに感謝ですね。
料理も始まりました。
金色の盆に並ぶ小さな器。
食前酒の古窯特製梅酒から、焼物と旬の小鉢へ。
これからゆっくり夜が始まる感じがします。
海老や魚などを少しずつ。
酒を飲みながら箸を進めるには、こういう量がちょうどいいですね。
そして。
『おおっ!』
雪国かまくら盛り。
氷そのものを、かまくらのように仕立てた器です。
見た瞬間から涼しい。
というか…さっき頭で想像した雪国の景色が料理になるなんて……
これって運命的ですよね。
しかも演出だけではなく、刺身が最後までぬるくなりにくい。
目でも楽しませながら、きちんと美味しい温度を守ってくれています。
花穂紫蘇を醤油へ散らせば、ふわっと香りも立ちます。
こういうひと手間、心躍りますね♪
お品書きでは白身魚の彩り野菜餡掛け。
香ばしさのある白身魚へ、やさしい餡を重ねた一皿です。
盛り付けの中に小さな赤が入るだけで、一気に華やぎます。
そして今夜の主役。
来ました!
特選山形牛ステーキ。
これは……気分が上がりますね。
薬味も用意されています。
まずはあまり手を加えず、お肉そのものを。
サッと焼いて、美味しいうちにいただきましょう。
…………。
ああ……。
表面を焼くと脂がゆっくりほどけて、噛むほど肉の甘みが広がります。
霜降りなのに、口の中に重たさだけが残らない。
すき焼きとはまた違う、山形牛の美味しさです。
蓋を空けます。
雲丹の良い色……。
なめらかな卵地に、舟形マッシュルームにの香り。
お出汁がとても優しく、雲丹の奥行きある味わいでした。
こちらは海老しんじょう。
揚げた表面の香ばしさと、中のふわりとした食感。
少しずつ温度や食感が変わっていくので、会席は急いで食べないのがいいですね。
食事の途中、若女将さんと少しお話しする機会がありました。
所作も、言葉の運び方もとても穏やかで上品。
こちらの写真のお願いにも、快く応じてくださり、旅の大切な思い出になりました。
お忙しい中、ありがとうございました。
そして、また一杯。
地のものには、地の酒を。
同じ風土から生まれた、必然の組み合わせですね。
このあとは山形県推奨米つや姫、浅利の御味噌汁、お漬物三種へ。
そして最後は。
白玉ぜんざいと、ほうじ茶。
静かな個室でいただく、最後の甘味です。
この夜は料理だけでなく、接客係さんとの会話も楽しい時間でした。
山形のお酒を教えていただいたり、いろいろなお話をしたり。
最後にはお名刺までいただきました。
また古窯へ来た時、お会いできたら嬉しいです。
その際は、どうぞよろしくお願いします。
朝食ビュッフェは昨日たっぷり紹介したので、今日は僕が気になったものを少しだけ。
ライブキッチンのフレンチトースト。
そこへ生はちみつを。
これが……とても美味しい。
外側は香ばしく、中はやわらか。
はちみつの濃い甘さが染み込んで、朝からちょっと幸せです。
かわいいロールケーキも、ひとつ。
ビュッフェだからといって、欲張りません。
わがままボディになっちゃうので……。
食後は、あの紅花のカップでコーヒーを。
もう、このカップを見るだけで「山形の朝だな」と思えるようになりました。
ここが『古窯』という名前の原点です。
古窯は1951年、小さな自炊旅館として始まりました。
その後、増築の際に敷地から約1,300年前の須恵器の窯跡が発見され、その古い窯にちなみ『古窯』と名付けられたそうです。
宿の名前が、広告のためにつくられた言葉ではなく。
本当にこの土地から出てきたものだったんですね。
ここに立つと、僕はなんだか良い『気』を感じます。
これは歴史の説明でも、科学的な話でもなく。
ただ、実際にここへ来た僕がそう感じたというだけです。
でも……ホントですよ。
古窯へ泊まったら、ぜひ一度ここまで来て感じてみてくださいね。
本当に、良い温泉旅館でした。
ガヤガヤした華やかさではなく、落ち着いた時間の中で山形を感じられる宿。
館内の小さなしつらえも、料理も、そこにいる人たちも、押しつけることなく土地のことを教えてくれました。
花笠で迎えていただき、花笠で見送っていただく。
帰りには、地元・山形のお菓子を小さなお土産にくださいました。
旅の終わり、心に残るのは、案外こういう小さなお心遣いなのかもしれません。
最後まで、古窯らしい温かさでした
女将さん、若女将さん。
ご多忙な朝の時間にお話しできたこと、とても嬉しかったです。
そして接客係さんをはじめ、滞在中に接してくださったスタッフの皆さま。
皆さんの自然な笑顔のおかげで、2泊3日を気持ちよく過ごすことができました。
ありがとうございました。
今回はデータを紛失してしまい、楽しみにしていた『楽焼き』をはじめ、残せなかった写真もいくつかあります。
でも。
それはきっと。
『また、古窯に来よう!』
ってことですね。
次はなくさないようにします。。。
必ず再訪します。
長い古窯宿泊記となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
次の旅はエクシブ伊豆となります。
どうぞお楽しみに。
今夜は予約していた個室料亭で夕食です。
1日目とは別の会場を用意していただきました。
2泊それぞれ違う空間で食事を楽しめるよう気を配ってくださったこと、嬉しかったです。
▶ 前回のお話|天保そばを目指して往復30km。旅は予定通りにいかない
目次
2日目の夜は、静かな料亭の個室へ
蔵王の御釜。
この大きさ。
なかなかの迫力です。
こういうところを見つけるのが、僕は好きです。
たった一輪なのに、空間の気品が変わります。
飾りすぎないところも古窯らしい。
「積善の家には、必ず余慶あり」
善い行いを積み重ねる家には、その福が後の世にも残っていくという言葉です。
古窯で見ると、なんだか妙にしっくりきます。
『こわい』が「疲れた」だったり、眺めているだけでも面白い。
ぎんっあか、こわい……。
ぎんっあか、こわい……。
(急な坂、疲れた…) ……僕の山形語習得には、まだ少し時間がかかりそうです。
こういう絵を館内にさりげなく飾ってくれるところも、僕が古窯を好きになった理由のひとつです。
どこかで必ず、山形につながるんですよね。
『おお……素敵な個室』
畳の上に端正な黒いテーブルと椅子。
障子の柔らかな線と、窓の向こうには小さな庭。
華美というより、静かに整った和の空間です。
今夜はここで、ゆっくりいただきます。
山形牛ステーキ。そして今夜の地酒
じゃらんでは2泊とも山形牛すき焼きプランで予約していたので、2泊目はどうなるのかなと思っていましたが……。
特選山形牛ステーキ。
おおっ。
これは嬉しい変更です。
※旅行から時間が経っており、料理写真の撮影順も一部前後しています。
お品書きを基準にできる限り提供順に並べていますが、料理名や順番が違っていたら申し訳ありません。
一皿ずつ考えて提供してくださっている料理人の皆さまに失礼がありましたらご容赦ください。
まずは飲み物を。
魅力的ですねぇ……。
……と思っていたのですが。
笑顔の素敵な接客係さんと話していると、生まれ育った地元ただ1つの酒蔵のお酒を薦めてくださいました。
小国桜川。
雄町と山田錦を使った純米大吟醸です。
ならば今夜はこちらにしましょう。
穏やかで上品な香り。
口に含むと旨味はふっくらしているのに、余韻はすっときれいです。
ああ……美味しい。
目を閉じれば。
静まり返った雪深い夜。
小さな駅と、街灯に照らされる粉雪……。
…………。
おっと。
つい小国の冬を想像してしまいました。
豪雪の土地で300年以上酒を造り続ける桜川酒造。
古窯に来なければ、僕はこの一本を選んでいなかったです。
接客係さんとの素敵な出会いに感謝ですね。
金色の盆に並ぶ小さな器。
食前酒の古窯特製梅酒から、焼物と旬の小鉢へ。
これからゆっくり夜が始まる感じがします。
酒を飲みながら箸を進めるには、こういう量がちょうどいいですね。
そして。
雪国かまくら盛り。
氷そのものを、かまくらのように仕立てた器です。
見た瞬間から涼しい。
というか…さっき頭で想像した雪国の景色が料理になるなんて……
これって運命的ですよね。
しかも演出だけではなく、刺身が最後までぬるくなりにくい。
目でも楽しませながら、きちんと美味しい温度を守ってくれています。
花穂紫蘇を醤油へ散らせば、ふわっと香りも立ちます。
こういうひと手間、心躍りますね♪
香ばしさのある白身魚へ、やさしい餡を重ねた一皿です。
盛り付けの中に小さな赤が入るだけで、一気に華やぎます。
そして今夜の主役。
特選山形牛ステーキ。
これは……気分が上がりますね。
まずはあまり手を加えず、お肉そのものを。
…………。
ああ……。
表面を焼くと脂がゆっくりほどけて、噛むほど肉の甘みが広がります。
霜降りなのに、口の中に重たさだけが残らない。
すき焼きとはまた違う、山形牛の美味しさです。
なめらかな卵地に、舟形マッシュルームにの香り。
お出汁がとても優しく、雲丹の奥行きある味わいでした。
揚げた表面の香ばしさと、中のふわりとした食感。
少しずつ温度や食感が変わっていくので、会席は急いで食べないのがいいですね。
所作も、言葉の運び方もとても穏やかで上品。
こちらの写真のお願いにも、快く応じてくださり、旅の大切な思い出になりました。
お忙しい中、ありがとうございました。
地のものには、地の酒を。
同じ風土から生まれた、必然の組み合わせですね。
このあとは山形県推奨米つや姫、浅利の御味噌汁、お漬物三種へ。
そして最後は。
静かな個室でいただく、最後の甘味です。
この夜は料理だけでなく、接客係さんとの会話も楽しい時間でした。
山形のお酒を教えていただいたり、いろいろなお話をしたり。
最後にはお名刺までいただきました。
また古窯へ来た時、お会いできたら嬉しいです。
その際は、どうぞよろしくお願いします。
古窯で迎える、最後の朝
翌朝。朝食ビュッフェは昨日たっぷり紹介したので、今日は僕が気になったものを少しだけ。
そこへ生はちみつを。
これが……とても美味しい。
外側は香ばしく、中はやわらか。
はちみつの濃い甘さが染み込んで、朝からちょっと幸せです。
ビュッフェだからといって、欲張りません。
わがままボディになっちゃうので……。
もう、このカップを見るだけで「山形の朝だな」と思えるようになりました。
『古窯』という名前のはじまり
チェックアウト前、まだ見ていなかった場所へ。
古窯は1951年、小さな自炊旅館として始まりました。
その後、増築の際に敷地から約1,300年前の須恵器の窯跡が発見され、その古い窯にちなみ『古窯』と名付けられたそうです。
宿の名前が、広告のためにつくられた言葉ではなく。
本当にこの土地から出てきたものだったんですね。
参考:古窯グループ公式|沿革
これは歴史の説明でも、科学的な話でもなく。
ただ、実際にここへ来た僕がそう感じたというだけです。
でも……ホントですよ。
古窯へ泊まったら、ぜひ一度ここまで来て感じてみてくださいね。
また、古窯に来よう
ガヤガヤした華やかさではなく、落ち着いた時間の中で山形を感じられる宿。
館内の小さなしつらえも、料理も、そこにいる人たちも、押しつけることなく土地のことを教えてくれました。
花笠で迎えていただき、花笠で見送っていただく。
帰りには、地元・山形のお菓子を小さなお土産にくださいました。
旅の終わり、心に残るのは、案外こういう小さなお心遣いなのかもしれません。
最後まで、古窯らしい温かさでした
女将さん、若女将さん。
ご多忙な朝の時間にお話しできたこと、とても嬉しかったです。
そして接客係さんをはじめ、滞在中に接してくださったスタッフの皆さま。
皆さんの自然な笑顔のおかげで、2泊3日を気持ちよく過ごすことができました。
ありがとうございました。
今回はデータを紛失してしまい、楽しみにしていた『楽焼き』をはじめ、残せなかった写真もいくつかあります。
でも。
それはきっと。
『また、古窯に来よう!』
ってことですね。
次はなくさないようにします。。。
必ず再訪します。
長い古窯宿泊記となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
次の旅はエクシブ伊豆となります。
どうぞお楽しみに。
日本の宿 古窯|施設情報
日本の宿 古窯
山形県かみのやま温泉に佇む温泉旅館。
蔵王連峰を望む高台で、温泉、山形の食、館内のしつらえまでゆっくり楽しめます。
所在地
〒999-3292
山形県上山市葉山5-20
お問い合わせ・ご予約
0570-00-5454
予約受付 9:00〜18:00
※カーナビで電話番号検索する場合は「023-672-5454」が案内されています。
アクセス
JRかみのやま温泉駅から送迎バスで約5分。
送迎については最新情報を公式サイトでご確認ください。
日本の宿 古窯 公式ホームページ Googleマップで場所を見る
※施設情報は2026年9月確認時のものです。宿泊料金・送迎・営業内容などの最新情報は公式サイトをご確認ください。

